登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 1998年 |
チェコ東部にあるクロムニェジーシュは、近くにあるオロモウツという都市の司教の邸宅として建造されたもの。現在も中欧を代表するバロック様式の城と美しい庭園が当時のまま見られます。
ここではクロムニェジーシュの庭園と城がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クロムニェジーシュの庭園と城について詳しくなること間違いなし!
クロムニェジーシュの庭園と城とは?
クロムニェジーシュは、チェコ南東部のズリーン州にある町。城と庭園は15世紀にこの地方の中心都市であったオロモウツの司教によって建造され、当時の城はゴシック様式にルネサンス様式が加えたもの。その後、17〜18世紀にバロック様式に改築され、市内に「花の庭園」も増設されました。
バロック様式の城は、中庭を囲むように4つの棟で囲まれていて、城内には司教がヨーロッパ内で収集した絵画のコレクションが揃っていて、1階の部屋からは洞窟で庭園と繋がるという構造になっています。城に付随する庭園は、外来種の植物が多く植えられていて、イタリアのポンペイから持ち運ばれた彫刻が並ぶ、半円形の柱廊「ポンペイの柱廊」があることでも有名。庭園はバロック様式のデザインではあるものの、18世紀後半から19世紀初頭のロマン派の風景様式の影響も受けています。
花の庭園(快楽の庭園)
町の西側に位置する「花の庭園」は、17世紀に建造されたもの。ここは八角形のロタンダが中央に配されたバロック様式の庭園。ロタンダの周辺は、まるで迷路のような幾何学的な花壇が対象的に配置されているのが特徴。244もの彫像や胸像が並ぶ柱廊や鳥小屋、温室なども含めて、当時のまま残されています。
クロムニェジーシュの庭園と城はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
クロムニェジーシュの庭園と城が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
クロムニェジーシュには、花の庭園など、中欧のバロック様式の庭園と城の発展において重要な役割を果たしてきたという点。
登録基準(iv)
クロムニェジーシュの庭園と城は、17〜18世紀の司教の邸宅とそれに関する景観が残り、それらは非常に保存状態が良いということ。
世界遺産マニアの結論と感想
クロムニェジーシュは、17〜18世紀にバロック様式に改築された城や庭園などの保存状態が良く、これらは中欧の城や庭園建築において重要な役割を果たしたという点で評価されています。
ちなみに、クロムニェジーシュの城はバロック様式の美しい内観を持つため、映画のロケ地でよく利用されていて、映画『アマデウス』だとウィーンのホーフブルク宮殿として利用されたほど。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。