登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (8),(9),(10) |
登録年 | 1986年(1994年拡大) |
オーストラリアの東部には41もの多雨林地帯が点在していますが、これらはかつての超大陸だったゴンドワナ大陸時代の名残を残すもの。ナンキョクブナなどの太古の森が今でも残り、ここには希少種や絶滅危惧種が多く生息しています。
ここではオーストラリアのゴンドワナ多雨林群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、オーストラリアのゴンドワナ多雨林群について詳しくなること間違いなし!
オーストラリアのゴンドワナ多雨林群とは?
オーストラリア東岸、クイーンズランド州南東部とニューサウスウェールズ州の北東部には、国立公園や自然保護区など41もの多雨林地帯が世界遺産として登録。ここはオーストラリアがゴンドワナ大陸と呼ばれる超大陸と繋がっていた時代に生息していた被子植物などが見られます。ゴンドワナ大陸は、約6億年前に存在した超大陸で、分裂などを繰り返し、約6500万年前に現在のオーストラリア大陸となりました。ここはゴンドワナ大陸時代に起源を持つ動植物が見られる貴重な多雨林地帯でもあります。
総面積は3700平方kmという多雨林地帯は、ナンキョクブナなどの太古の森が今でも見られます。ここにはコアラやカンガルーなどのおなじみの貴重種や、カンガルー科の小型カンガルーで最も小さなワラビー「パルマヤブワラビー」なども生息。これはかつて絶滅していたと考えられていて、再発見されたもの。しかし、人類の開拓によって森林はかつての4分の1ほどしか残っていません。
オーストラリアのゴンドワナ多雨林群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
オーストラリアのゴンドワナ多雨林群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
ゴンドワナ多雨林群は、ゴンドワナ大陸が分裂することでオーストラリアの東岸に沿って火山地形が形成され、地形の進化の足跡を残し、ここでは当時形成されたカルデラなどが見られるという点。
登録基準(ix)
ゴンドワナ多雨林群では、石炭紀のシダ植物、白亜紀中後期の双子葉植物、第三期初期の植生など、オーストリア大陸の前身であった時代の植生が見られる上に、比較的最近の進化の証拠を示す動植物も生息し、地球の進化の歴史における主要な段階と進行中のプロセスが見られるということ。
登録基準(x)
ゴンドワナ多雨林群は、かつて大陸を覆っていた熱帯雨林が残る場所で、270種以上の絶滅危惧種や原始的な種などが見られる生息地であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
オーストラリア東部にある多雨林地帯には、地形や動植物など、かつてゴンドワナ大陸から分裂したという証拠が多く残っていて、絶滅危惧種や原始的な種などが見られるという点で評価されています。
ちなみに、宮崎駿監督の『天空の城ラピュタ』に登場した飛行石のモデルとされている「ヒカリキノコバエ」の幼虫は、オーストラリアとニュージーランドで見られ、特にゴンドワナ多雨林群にも登録されているラミントン国立公園で観察することができます。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。