マルタの世界遺産「ハル・サフリエニの地下墳墓」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3)
登録年1980年

首都バレッタの郊外にある、紀元前4000〜2500年ころまで利用されていた地下墳墓。ここは三層構造となっていて、38室ある石室からは7000もの人骨だけでなく、さまざまなものが発掘されています。地下墳墓は、紀元前2350年頃に姿を消した古代マルタの人々の文化を知る手がかりであるという点で重要。

ここではハル・サフリエニの地下墳墓がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ハル・サフリエニの地下墳墓について詳しくなること間違いなし!

目次

ハル・サフリエニの地下墳墓とは?

画像素材:shutterstock

首都バレッタの南に位置する町パオラでは、1902年に紀元前4000〜2500年ころに築かれた地下墳墓が発見されました。ここは丘の上に築かれた総面積500平方mもの広大な遺跡。内部は三層構造で地下に延びていて、38室ある石室からは約7000もの人骨が発見されました。建造方法は不明のままですが、上層はマルタに存在する巨石神殿の建築を模倣したかのような作りになっているのが特徴です(もともとは神殿だったものが墓地になったという可能性もあります)。

上の第1層は自然の洞窟を利用したと考えられていて、第2層にはいくつかの部屋が存在。第2層には岩をくり抜いた円形屋根となっている中央の部屋があり、ここでは副葬品だったと考えられている「眠れる貴婦人(写真)」の像が発見されたことで有名。

他にも「神託の部屋」には、赤いオーカー(黄土)で描かれた壁画があったりと、先史時代の唯一の壁画が発見され、声が反響することから儀式が行われていた可能性があります。他にも陶器や貝殻のボタン、石のペンダントなども発見され、紀元前2350年頃に姿を消した古代マルタの人々の暮らしが見られるという点で貴重な遺跡。

ハル・サフリエニの地下墳墓はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

ハル・サフリエニの地下墳墓が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ハル・サフリエニの地下墳墓は、紀元前4000〜2500年まで利用されていた「ラビリンス(迷宮)」の一例であり、マルタ島の先史時代における優れた建築技術が見られるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ハル・サフリエニの地下墳墓は、マルタ島に住んでいた古代マルタの人々の文明が見られるという建造物で、地下に埋もれていたため、その保存状態も良好という点で評価されています。

ちなみに、地下墳墓は現在マルタの観光地ではありますが、遺跡保護のために来場者は一日80人までに制限しています。しかし、「眠れる貴婦人」の像などの発掘品はバレッタの考古学博物館でいつでも見られますよ。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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