登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (8),(9) |
登録年 | 1997年 |
ハード島とマクドナルド諸島は、亜南極圏に浮かぶ小さな島々。南極大陸から約1700kmにあり、ここは亜南極圏唯一の火山島で、氷河に囲まれた島ならではの地形が見られます。絶海の孤島であるため、生物は外来種に影響されることもなく、独自の生態系がそのまま残されているというのが特徴。
ここではハード島とマクドナルド諸島がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ハード島とマクドナルド諸島について詳しくなること間違いなし!
ハード島とマクドナルド諸島とは?
ハード島とマクドナルド諸島は、オーストラリア大陸とアフリカ南部のほぼ中間に位置し、南極大陸から約1700kmの位置にある小さな島々。ここは島だけでなく周辺の海域も含めて合計で658平方kmも登録されています。この地は各大陸からも離れていて、外来種の影響を受けないまま生物が進化した貴重なエリア。
なかでもハード島が最も大きな島で、ここは標高2745mの活火山であるマウソン山があるのですが、大部分は雪と氷河に覆われています。マクドナルド諸島は小さな島々や岩だけが残るエリア。これらは活火山が噴火して形成された地形で、氷河の変化や海洋の温暖化などが分かるもの。
島は南極に近いこともあり、植物の種類は少ないものの、外来種が訪れることがなかったため、各島にはアザラシなどの哺乳類やペンギン、アホウドリなどが多く生息しています。
ハード島とマクドナルド諸島はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ハード島とマクドナルド諸島が評価されたのが、以下の点。
登録基準(viii)
ハード島とマクドナルド諸島は、火山活動が活発なエリアで、この地は地殻プレートとプルーム(地殻の下にあるマントルの対流運動)の相互作用が発生していて、マントルのプルームの構成などが分かるという地形学的に貴重なエリア。そして、南極に近く、氷河の流れなどから海洋の温暖化などの変化も見られるということ。
登録基準(ix)
ハード島とマクドナルド諸島には外来種がなく、人間によって開発もされたことがないため、数百万の海鳥や哺乳類が住む重要な生息地ともなっていて、動植物の分散と定着を研究する上で役に立っているということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ハード島とマクドナルド諸島は、南極でありながら、実は火山活動によって形成され、地表のプレートや内部のプルームの相互作用が分かる場所。そして、南極に近いため、南極の氷河の溶け具合もよく分かり、絶海の孤島でもあるので、外来種がなく、海鳥や海洋生物の楽園となっているという点で評価されています。
ハード島は、19世紀にキャプテン・ジョン・ハードという人物が発見し、マクドナルド諸島はキャプテン・ウイリアム・マクドナルドが発見したため、それぞれ名付けられたのですが、彼らはこの島に上陸することがなく、去っていきました。そして、島に初めて降り立ったのは、アザラシの脂をとろうとしたアメリカ人という…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。