登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 1998年 |
トラコタルパンはメキシコ湾から少し内陸に入った河川港。16世紀に設立されたスペインの植民都市で、ここは内陸の物資を湾沿いの都市へと運ぶために作られた中継地でした。1790年に火災があったことから樹脂など火災対策がされたため、カラフルな邸宅や広場、庭園などが残り、スペインとカリブ海の文化が融合した町並みが当時のまま見られます。
ここではトラコタルパンの歴史遺跡地帯がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トラコタルパンについて詳しくなること間違いなし!
トラコタルパンの歴史遺跡地帯とは?
メキシコ最大の貿易港ベラクルスの南東に位置するトラコタルパンは16世紀にスペイン人によって建設された植民都市。ここはメキシコ湾沿いの都市へと物資を運ぶため中継地で、トラコタルパンは先住民のナワトル語で「水に囲まれた場所」という意味を持ちます。ここは20世紀まで重要な港でありましたが、鉄道の普及によって衰退し、そのためカリブ海の伝統とスペインの文化が融合した新古典主義様式の町並みが当時のまま残っています。
町はパパロアパン川沿いに沿って北側に築かれ、西側のスペイン人地区と東側の先住民地区の異なるエリアが分かれていて、その交差点が中心部で商業施設や公共施設、広場が配置。アーチ型の柱廊が並ぶアーケードが続いていて、さまざまなデザインの柱が見られ、これらは1階建ての家屋でカラフルなファサードや赤いタイルの屋根、スペイン様式の中庭など、土着の様式も含めた独特の建造物が続きます。
トラコタルパンの歴史遺跡地帯はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
トラコタルパンが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
トラコタルパンの都市計画と建築物は、スペインとカリブ海の伝統建築が融合した独自の建築物であるという点。
登録基準(iv)
トラコタルパンはメキシコ湾沿に位置する、スペインの植民地時代に築かれた河川港であり、その都市構造を現在まで残し、広い通りや豊富なデザインのカラフルな家々、公共広場があり、木々が点在する美しい町並みが広がるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
トラコタルパンは、メキシコ湾沿いに築かれたスペインの植民都市の中でもカリブ海とスペインの伝統建築が融合し、現在でもその都市構造が残り続けているという点で評価されています。
ちなみに、ナワトル語はアステカ人が話していた言葉で、実はアボカドやカカオ、チリ、トマトなどはナワトル語が語源となっていて、割と身近な新大陸由来の食材の名前はナワトル語が由来していることが多いですよ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。