ドイツの世界遺産「クヴェードリンブルクの聖堂参事会教会、城と旧市街」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4)
登録年1994年

ドイツの中央部にある古都クヴェードリンブルクは、東フランク王国(9〜10世紀頃)のハインリヒ1世(876年頃〜936年)によって宮殿が建設されて以来、政治と宗教、交易で繁栄しました。旧市街は14〜19世紀のハーフティンバー様式の木造家屋が1200軒も並び、聖堂参事会教会(聖セルヴァティウス教会)はロマネスク様式の傑作でもあります。

ここではクヴェードリンブルクの聖堂参事会教会、城と旧市街がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クヴェードリンブルクについて詳しくなること間違いなし!

目次

クヴェードリンブルクの聖堂参事会教会、城と旧市街とは?

クヴェードリンブルク旧市街
画像素材:shutterstock

ドイツ中央部ザクセン=アンハルト州にあるクヴェードリンブルクは、10世紀にオットー家(リウドルフィング家・ザクセン朝)によって支配された町。ハインリヒ1世はここで宮殿を築き、東フランク王国の中心地となると、政治と宗教、商業の中心となりました。

旧市街の南にある丘は城を中心とした行政エリアとなっています。ここにある聖堂参事会教会(聖セルヴァティウス教会)は、10世紀に創建されたロマネスク様式の教会で、ハインリヒ1世の息子であるオットー1世紀によって建造。地下墓地にはハインリヒ1世も眠り、ヨーロッパの美術史においても重要なものです。

クヴェードリンブルク旧市街
画像素材:shutterstock

14世紀になると城下町として、城のある丘の西側・北側に商人の家やギルドハウスが19世紀まで建造され、木組みのハーフティンバー様式の家屋が1200軒にも渡って並ぶようになりました。その圧倒的な数は「木組みの博物館」と称されるほど。

クヴェードリンブルクの聖堂参事会教会、城と旧市街はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

クヴェードリンブルクの聖堂参事会教会と城
画像素材:shutterstock

クヴェードリンブルクが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
クヴェードリンブルクは、中世のヨーロッパの町の構造が現在でも見られ、多くの木組みの家々が保存されているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

クヴェードリンブルクには、ハーフティンバー様式の木造家屋が多く残り、町には城や聖堂参事会教会などを含めた中世時代の都市の構造が残っているという点で評価されています。

ちなみに、ハインリヒ1世は、イエス・キリストの身体を突いた「ロンギヌスの槍」と呼ばれる聖槍を保持していたことで知られ、歴代の神聖ローマ皇帝に引き継がれていきました。現在はウィーンのホーフブルク宮殿に保管されていますが、X線などの解析によると…イエス・キリストの時代ではなく、少なくとも8世紀から9世紀初頭のものであるという結果に。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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