登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 1998年 |
チェコ南西部にあるホラショヴィツェは、伝統的な中欧の村の建築物や景観を現在に残す村。ここは13世紀にボヘミア王がヴィシー・プロト修道院に与えた土地で、建造物は18〜19世紀の南ボヘミアのバロック様式が採用され、素朴ではあるもの、屋根や壁はパステルカラーで彩られているのが特徴です。
ここではホラショヴィツェの歴史的集落がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ホラショヴィツェについて詳しくなること間違いなし!
ホラショヴィツェの歴史的集落とは?
ホラショヴィツェは、チェコの南西部にある南ボヘミア州の集落で、チェコ南部最大の都市チェスケー・ブジェヨヴィツェから西へ約17km。村は長方形のようになっていて、中央の共有緑地の周りには23もの農場があり、並木道沿いに民家、ネポムクの聖ヨハネ礼拝堂、鍛冶場、養魚池などが規則正しく並んでいます。
村は13世紀にボヘミア王が、当時のフランスで勢力を拡大していた修道会・シトー会に属していたヴィシー・ブロト修道院にこの地を寄進したことが始まり。その後、19世紀までここは修道院の一部ではあったものの、農村と変わらない生活が続けられてきました。16世紀にペストの流行もあり、ドイツ系住民が住むように。
民家は19世紀後半に建てられたものがほとんどで、素朴ではあるものの、屋根や切妻の壁はピンクや黄色などのパステルカラーが施されるという南ボヘミアのバロック様式の建造物が並びます。第二次世界大戦後にはドイツ人住民が去ったため、ここは放棄されたものの、1990年からは少しずつ修復され、現在は定住者もいる村として再生されました。
ホラショヴィツェの歴史的集落はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ホラショヴィツェが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
ホラショヴィツェの歴史的集落の建造物は、南ボヘミアのバロック様式で知られ、これはボヘミアの伝統的建築様式と、西ヨーロッパのバロック様式の融合が見られるという点。
登録基準(iv)
ホラショヴィツェの歴史的集落は保存状態が良く、中欧の伝統的な農村集落が今でも見られるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ホラショヴィツェは、もともと修道院の土地ではあったものの、ここは伝統的な農村の暮らしがずっと残されていて、建築物はボヘミアの伝統とバロック様式を組み合わせたという独自の建築様式が見られるという点で評価されています。
ちなみに、民家がパステルカラーの可愛らしい外観になったのは、他所の地域から嫁をもらうため…と言われていますが、果たして?
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。