イタリアの世界遺産候補「マッジョーレ湖とドルタ湖の湖水地方」とは?ベッラ島を含めて世界遺産マニアが解説

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登録区分(暫定リストに記載)文化遺産
登録基準(暫定リストに記載)(2),(6)
申請年(暫定リストに記載)2006年

イタリア北西部に広がる湖水地方。その中でもマッジョーレ湖とドルタ湖は、16世紀以降は別荘地となり、湖畔や島には宮殿や庭園などが建設されました。19世紀はリゾート地として知られるようになり、ベッラ島のような美しい宮殿が造られ、今でもその景観が残っています。

ここではマッジョーレ湖とドルタ湖の湖水地方がなぜ世界遺産候補なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、マッジョーレ湖とドルタ湖の湖水地方について詳しくなること間違いなし!

目次

マッジョーレ湖とドルタ湖の湖水地方とは?

マッジョーレ湖
画像素材:shutterstock

イタリア北西部のスイス国境付近には美しい湖が点在することから「湖水地方」と呼ばれています。マッジョーレ湖はロンバルディア州とピエモンテ州の州境にあり、面積は212.2平方kmとイタリアでも2番目に広い湖として有名。その隣にあるドルタ湖は116平方kmの細長い湖です。

ここは18世紀にサヴォイア家に併合されるまで、ミラノ公国(1395〜1797年)の領地であり、16世紀以降、貴族などの富裕層によって別荘が建設されていきました。特に有名なのは、マードレ島の宮殿とベッラ島の宮殿と庭園。19世紀になると、ここには鉄道が通り、外国人旅行者をも魅了する観光地となりました。そして、この地には各地の植物などが植えられ植物園のような庭園や、後期新古典主義を中心とした豪華絢爛な邸宅が築かれていきます。

ベッラ島

ベッラ島/マッジョーレ湖
画像素材:AdobeStock

マッジョーレ湖西岸に位置する、幅180m、長さ320mの小さな島。ベッラ島は「美しい島」という意味で、ここにはイタリアの貴族であり、ミラノの銀行家であったボッロメオ家によって17世紀前半に別荘が築かれ、島全体が宮殿であるという独特な構造。ここはナポレオン・ボナパルトも訪れたというほどに、各部屋にはバロック様式の美しい装飾が続いています。

地下では、部屋の壁を大理石や貝殻で装飾した「クロッタ」が見られのが特徴。特に庭園は階段状のバロック庭園となっていて、オベリスクや噴水、彫像などが置かれ、幻想的な空間が広がっています。現在はイタリアでも屈指の人気観光地。

マッジョーレ湖とドルタ湖の湖水地方はどんな理由で世界遺産に登録される予定なの?

ベッラ島/マッジョーレ湖
画像素材:shutterstock

マッジョーレ湖とドルタ湖が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
登録基準(vi)
マッジョーレ湖とドルタ湖の湖水地方は、ルネサンス期から20世紀まで長期に渡って、理想的な景観が創造され、この地は気候が良く、川や山道を通って大都市から比較的簡単にアクセスできることから、人々を魅了してきました。そして、その風景の美しさは、文学や詩、絵画などにインスピレーションを与えたという点。

世界遺産マニアの結論と感想

マッジョーレ湖とドルタ湖に点在する美しい別荘や宮殿、庭園は、16世紀から建造され、19世紀以降は世界でも知られるリゾート地となったことから、景観の美しさだけでなく、文化方面にも多大に影響を与えたという点で評価される予定です。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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