中央アフリカの世界遺産「マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産 危機遺産1997年〜
登録基準(9), (10)
登録年1988年

中央アフリカの北部にあるマノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園は、北部の氾濫原(河川が洪水によって氾濫する低地)、広大なサバンナ、南部のボンゴ高原で構成され、多種多様な動植物が生息しています。公園内には、絶滅危惧種のクロサイやアフリカゾウなどが生息しているものの、密猟によって数を減らし、1997年からは危機遺産に登録されてしまいました。

ここではマノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園について詳しくなること間違いなし!

目次

マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園とは?

ハシビロコウ/マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園
画像素材:shutterstock

中央アフリカ北部のバミンギ・バンゴラン州にある国立公園で、チャドとの国境近くに位置します。ここは中央アフリカの中でも最大のサバンナ地帯で、サバンナは環境によって5つに分類されるほどに多彩。敷地は北部のアウク川沿いの氾濫原と南部のボンゴ高原で構成され、合計で1万7400万平方kmにも及ぶほど。さらに、ここは旱魃と過剰放牧によってサヘル地帯(サハラ砂漠南部の半乾燥地域)とスーダンで発生している環境変化を研究するのにも適してもいます。

ここは東アフリカと西アフリカのサバンナに生息する動物と、南部の森林に住む動物とが交差し、50種以上の哺乳類や約320種の鳥類が生息。その中でもクロサイやアフリカゾウ、カバ、コリンガゼルなどの絶滅危惧種も見られます。そして、北部の氾濫原には、数時間動きを止めるということで有名なペリカン目の「ハシビロコウ」が1万羽が生息しているという点でも有名。

危機遺産(危機にさらされている遺産)

1980年代に国境を接するスーダンとチャドで内戦も発生し、この地では密猟が多く発生し、クロサイは漢方の材料として角が狙われ、数千頭から10頭程度にまで激減。さらにアフリカゾウはチャドとの紛争に巻き込まれ、かつて8万頭いたものが数千頭にまで減らしてしまいます。そして、スーダンなどから難民も流入し、1997年には危機遺産に登録。

マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

クロサイ/マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園
画像素材:shutterstock

マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ix)
マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園は、スーダンのサヘル地帯からギニアまでの生物圏にまたがっていて、北の草原地帯から南の森林帯まで、3つの主要な河川によって氾濫原と湿原が生まれ、平野には花崗岩の段丘、ボンゴ高原には砂岩の山塊など点在するというさまざまな生息地が広がっています。ここには中央アフリカ最大のサバンナ地帯であり、動物は西アフリカや東アフリカから集まり、多種多様な種が生存可能である環境であるという点。

登録基準(x)
マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園では、東アフリカと西アフリカ、サヘル、熱帯雨林などに、57種の哺乳類も含まれる豊かな動物相が見られ、クロサイやアフリカゾウ、カバ、コリンガゼルなどの絶滅危惧種が生息します。他にもライオン、ヒョウ、チーターなどの大型哺乳類、ウシ科のコーブやウォーターバック、ハーテビーストなどの草食動物、ペリカン科のハシビロコウなどを含む320種の鳥類、25種の猛禽類が見られるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

マノヴォ=グンダ・サン・フローリス国立公園は北部の氾濫原、中央アジア最大のサバンナ、南部のボンゴ山地という多彩な環境が存在し、ここには多種多様な動物が見られ、クロサイやアフリカゾウなどの絶滅危惧種が生息するという点で評価されています。

ちなみに、「動かない鳥」として有名なハシビロコウは、単独行動が多い割に、かなり攻撃的な性格で、一つの鳥舎にで何羽か入れると喧嘩を始める傾向にあるのです。世界的にも繁殖が難しい鳥として有名ではあるものの、割と日本では飼育している動物園が多く、日本人の飼育員と相性が良いのかもしれませんね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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