登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (6) |
登録年 | 2023年 |
アフリカの内陸の小国であるルワンダは、1994年に発生した「ルワンダ虐殺」という人類に残る未曾有のジェノサイドを経験した国。各地にジェノサイドの悲惨さを今に伝える慰霊碑や記念館などが点在しています。
ここではジェノサイドの記憶の場が、なぜ世界遺産なのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ジェノサイドの記憶の場について詳しくなること間違いなし!
ジェノサイドの記憶の場とは?
ルワンダは、1994年に発生したルワンダ虐殺によって、当時の総人口730万人のうち50万〜100万の人々が殺害されました。これはこのエリアに古くから暮らす、フツ族の住民の中でも政府側や暴徒化した人々によって、同じくルワンダに住むツチ族や穏健派のフツ族の住民に対して発生したジェノサイド。
世界遺産の候補としては、首都キガリの南約30kmの一にあるニャマタにある「ニャマタ虐殺記念館」。もともとは教会であった場所で、ここに立て籠った住民が多く殺害され、遺体の数は4万5000以上にも達するというほど。現在は当時の悲惨な状況を示すために頭蓋骨などが並んでいます。
南部州の「ムランビ虐殺記念館」は、もともと学校であった場所ですが、ここは4万5000人ものツチ族が殺害され、被害者数千人分の頭蓋骨やミイラ化した遺体が展示されている場所。
南西部にあるビセセロは丘の上に残る3つの家があった場所で、ここは5万人もの人々が殺害され、現在は慰霊碑となっています。首都キガリの近郊にある「ギソッチ・ジェノサイド慰霊碑」は、30万もの人々の遺骨が埋葬され、現在はビジターセンターとして展示室なども併設。
ジェノサイドの記憶の場はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ジェノサイドの記憶の場が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vi)
これらの構成遺産は、ツチ族に関する人類の記憶でもあります。ツチ族の絶滅にも繋がる可能性もあった人間の不寛容さのシンボルであり、大量虐殺が二度と起こらないように人類に示すもの。今では追悼の場となっていて、ギソッチの慰霊碑では、聖火が昼夜ずっと照らされ、これは希望を示し、虐殺のない世界への灯火でもあるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
ルワンダ虐殺にまつわる慰霊碑や記念館は、おそろしい大量虐殺の記憶を留めるもので、これはルワンダだけでなく、全人類に対して民族浄化や絶滅に対する出来事を示しています。今後の未来においてこのような事態に陥らないためにも伝え続ける必要があるという点で評価されています。
こういった背景もあり、ルワンダは国家再建するにあたって、「クオータ制」という性別や民族を割り当てて政治を行えるように憲法も改正。それもあり、世界初の女性の国会議員が過半数を占めるという最先端国家となっています。ちなみに、女性は重要な役職についても不正を行わない傾向にあるとのことで…女性の活躍も世界平和に貢献しているのかもしれませんね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。