アルジェリアの世界遺産「ムザブの谷」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (3), (5)
登録年1982年

アルジェリア中部にあるムザブの谷には、イバード派のベルベル人が住む、伝統的なクサール(要塞化された集落)が点在。ここは半砂漠地帯にある高原という環境の適応しつつ、カラフルでシンプルな建築の家々が並び、ユニークな都市計画が見られます。

ここでは、ムザブの谷がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ムザブの谷について詳しくなること間違なし!

目次

ムザブの谷とは?

画像素材:shutterstock

ムザブは首都アルジェから南へ600kmに位置するエリア。ここはサハラ砂漠の中でも標高300〜800mの高地にあり、岩だらけの高原が広がっています。そして、その合間には谷(ワジ)があり、そこにはクサールと呼ばれる要塞化したオアシス村が点在。

ここは9世紀以降、イスラム教の宗派の一つ、イバード派のベルベル人の隠れ家となり、11〜14世紀にガルダイア、エル・アーティフ、ブー・ヌーラ、メリカ、ベニ・イスゲンといった、同じような生活様式をもった村々が誕生しました。そして、これらはサハラ砂漠を交易するキャラバンの経由地として繁栄。

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これらの村々は城塞で囲まれ、モスクが高い位置に置かれていて、それに付随するミナレット(塔)が見張り台として機能するという構造になっています。モスクは礼拝所であると同時に、最後の砦として、穀物庫や武器庫などが設置されていました。そして、このモスクを囲むように家が作られたのです。

貯水地やヤシ畑など、半砂漠地帯という環境にも適応したこれらの独特の都市計画は、ル・コルビュジェなどの現代の建築家に強い影響を与えたという点でも評価。

ムザブの谷はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

ムザブの谷が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
11世紀初頭に遡る独創的な建築は20世紀の建築家に影響を与えたという点。

登録基準(iii)
ムザブ渓谷に残るクサール、墓地、ヤシ畑は、当時ここに住んだイバード派のベルベル人の技術力の高さを示しているということ。

登録基準(v)
貯水地やヤシ畑など、半砂漠地帯に生きる人々が住む伝統的な居住地の優れた例であるということ。

世界遺産マニアの結論と感想

もともとは少数派のイスラム教徒の隠れ里ではあったものの、彼らはここで長く生きるために知識が徐々に積み重なっていき、貯水から農地の開発、防衛まで行うように。ムザブ谷には厳しい環境を生きるノウハウが見られるという点で評価されています。ル・コルビュジエなどの建築家もこの地を訪れ、現代の都市計画にもこれらが活かされているというのもポイント。

ちなみに、なんで砂漠でヤシがこれだけ普及したかというと、非常に丈夫で栽培しやすく、果実は食料であると同時に油にもなるという万能性から。ウスターソースの原料の一つであるデーツもナツメヤシの実だったりします。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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