バーレーンの世界遺産「真珠採り、島の経済を物語るもの」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3)
登録年2012年

バーレーン島の北部に位置するムハラク島は、かつては真珠の養殖産業で栄えた地。ここは古代から20世紀前半まで真珠産業で栄え、海岸沿いは真珠職人の住居やモスクなどが並び、島の南部にはカラット・ブ・マヒール要塞、近海には3つの真珠貝の養殖棚など、島の経済を支え、その文化を伝えるものとして評価されています。

ここでは真珠採り、島の経済を物語るものがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、バーレーンの真珠採取業について詳しくなること間違いなし!

目次

「真珠採り、島の経済を物語るもの」とはどういう世界遺産?

真珠採り、島の経済を物語るもの
画像素材:shutterstock

バーレーンの近海は、ペルシャ湾に生息するアコヤガイの近縁種から天然の真珠を採取できる地で、島の真珠産業はバーレーンの経済を支えてきました。古代から真珠の産地として知られますが、19世紀末から20世紀初頭が最も繁栄した時期で、ムハラクの商業地区にも真珠職人による建造物が作られました。しかし、1930年代に日本で真珠養殖業が発展すると島の真珠産業は衰退し、当時の建造物はそのまま残存。

構成資産は、ムハラク市内に残る、真珠職人が建造した住居や商店、倉庫、モスクなどの17の建造物と、島の南部にあるカラット・ブ・マヒール要塞、沖合にある3つの真珠貝の養殖棚などが含まれています。これらは20世紀に真珠産業が衰退したことによって、保存状態が良く、特に建造物は木材と石膏を組み合わせた高い職人技が見られるもの。これらは真珠によって社会と経済が支えられ、文化が生み出されたという島のアイデンティティを示すものでもあります。

「真珠採り、島の経済を物語るもの」はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

カラット・ブ・マヒール要塞/真珠採り、島の経済を物語るもの
画像素材:shutterstock

バーレーンの真珠採取業が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
都市や沿岸に残る建造物と真珠貝の養殖棚は、古代から20世紀初頭にかけてペルシャ湾で繁栄した真珠養殖の文化的伝統が繁栄したことを示し、産業は衰退しましたが、かつて真珠によって発展した伝統的な建築物が残されているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

世界遺産名としても、何がなんらやって感じだと思いますが…つまりはバーレーンは真珠貝で繁栄した島で、その取引で繁栄した旧市街の建造物や要塞、かつての真珠貝の養殖棚が残ることから評価されています。

ちなみに、アコヤガイは一般的に食用とされますが、ペルシャ湾の貝はピンクターダ・ウルガリスといい、真珠を採取した後の貝の中身はほとんどが海に捨てられていたとされています。これは捨てた貝が、周辺の貝の栄養になると考えられたということもありますが、実際はすごくマズイとか。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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