ドイツの世界遺産「僧院の島ライヒェナウ」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3),(4),(6)
登録年2000年

ドイツ南西部のボーデン湖に浮かぶライヒェナウ島は、8世紀にはベネディクト会修道院が建設され、神学校や工房なども併設。修道院は布教するだけではなく、芸術と文化の発信地でもありました。10〜11世紀に各聖堂には美しいフレスコ画が描かれ、これらはドイツ初期のロマネスク美術の傑作でもあります。

ここでは僧院の島ライヒェナウがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ライヒェナウ島について詳しくなること間違いなし!

目次

僧院の島ライヒェナウとは?

僧院の島ライヒェナウ
画像素材:shutterstock

スイスとの国境に面したバーデン=ヴュルテンベルク州のボーデン湖に浮かぶのがライヒェナウ島。ここは8世紀に聖ピルミニウスという人物によって、最古の修道会であるベネディクト会派の修道院として建設。その後、フランク王国のカール大帝から支援を受け、大修道院となりました。10世紀に神聖ローマ帝国の支配下になると、修道院には神学校や写字室、工房が完成し、ヨーロッパの芸術と文化の中心地になったのです。

しかし、16世紀に修道院長の地位を近隣のコンスタンツ司教に譲ると、19世紀に司教領として世俗化されてしまいます。

各聖堂内のフレスコ

フレスコ/僧院の島ライヒェナウ
画像素材:shutterstock

島の東側に位置する聖ゲオルグ聖堂の内部には、10〜11世紀にキリストの8つの奇跡をテーマにしたフレスコ画が描かれ、これは現在も保存状態が良好です。そして、島の北西端にある聖ペテロ・パウロ修道院に残る「キリストの栄光」はドイツ初期のロマネスク美術の傑作。

僧院の島ライヒェナウはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

僧院の島ライヒェナウ
画像素材:shutterstock

ライヒェナウ島が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ライヒェナウ島は、中世初期のベネディクト会修道院の布教、そして文化の発展の役割があったということ。

登録基準(iv)
ライヒェナウ島の建築物は、フランク王国から神聖ローマ帝国にかけてさまざまな要素を残していて、9〜11世紀の中央ヨーロッパの修道院建築の優れた例が見られるという点。

登録基準(vi)
ライヒェナウ島の修道院は、10〜11世紀にかけてのヨーロッパ美術の中心地であり、フレスコ画はその名残であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

ライヒェナウ島に残る修道院は、9〜11世紀にかけて中央ヨーロッパの修道院建築が見られ、これらはベネディクト会修道院の発展を示しているという点で評価。そして、フレスコ画は当時のヨーロッパ美術の中心地であったということを示すというのもポイント。

ちなみに、ボーデン湖は、ドイツとスイス、オーストリアと3つの国の国境をまたぐという珍しいもの。「ヴァイスヘルプスト(白い秋)」というロゼワインが有名で、ロゼの割に色が薄く、ピンク色であるというのが特徴。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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