スーダンの世界遺産「サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(7), (9), (10)
登録年2016年

スーダンの海岸から約25kmの位置するサンガネーブ海洋国立公園は、紅海唯一の環礁。そして、スーダン北東部の海岸にあるドンゴナーブ湾と近海のムカッワー島は、サンゴ礁、マングローブ、海草藻場、砂浜などの自然環境が残り、ここには海鳥や海洋哺乳類、魚類などが暮らし、絶滅危惧種のジュゴンが多く生息するエリアでもあります。

ここではサンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園について詳しくなること間違いなし!

目次

サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園とは?

ジュゴン/サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園
画像素材:shutterstock

サンガネーブ海洋国立公園

スーダンの北東部の海岸から約25km。ここは紅海にある唯一の環礁となっていて、サンゴ礁には固有種と希少種を含めて300種を越える魚類が生息しています。ここは希少な海草藻場であり、産卵場というだけでなく、イルカやサメ、ウミガメなども多く生息し、環礁は繁殖地・餌場となっているのが特徴。

ドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園

スーダン北部最大の港ポートスーダンから海岸沿いに北約125kmに位置するドンゴナーブ湾。ここはU字側の湾となっていて、湾にある海草藻場には、絶滅危惧種のジュゴンがここで訪れることで有名。ドンゴナーブ湾の近海に浮かぶムッカワー島は、イスラムの聖者の墓所があるものの、一帯にはサンゴ礁、マングローブ、砂浜など、さまざまな自然環境があり、サメやウミガメ、マンタ、海鳥などが見られます。

サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園
画像素材:shutterstock

サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(vii)
サンガネーブ海洋国立公園は、紅海で唯一の環礁は深さ800mの海に非常に多様な地層とサンゴ礁で構成され、世界最北端のサンゴ礁でもあります。ドンゴナーブ湾とムカッワー島は、サンゴ礁、マングローブ、藻場、砂浜、孤島などさまざまな生息地があり、多様なサンゴや海草生物など、印象的な陸と海の生態系が見られるという点。

登録基準(ix)
紅海は世界最北端の熱帯の海であり、温度が高く、塩分の多い海のため、世界自然保護基金の提唱するグローバル200の優先生物保護地域に指定されています。そして、世界最北端の熱帯サンゴ礁の顕著な例で、サンガネブ海洋国立公園には13もの異なるサンゴ礁地帯が存在し、古代のサンゴの化石から原生のサンゴが多く含まれているほど。ここにはラグーン、小島、ビーチ、海草藻場、マングローブが多様な生息地が見られ、20種の海鳥、11種の海洋哺乳類、300種の魚類、260種のサンゴ、サメ、マンタ、ウミガメなどが生息しています。絶滅危惧種ジュゴンの世界最北の生息地でもあり、ここは希少な生物の餌場となっているということ。

登録基準(x)
ドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園は、インド洋に存在する生態系が紅海とペルシャ湾で合わさる地であり、絶滅危惧種のジュゴンの個体数を支えています。クジラとマンタの生息数は西インド洋エリアでは非常に多く、園内は留鳥(りゅうちょう)と渡り鳥にとって国際的な生息地でもあり、さらには紅海の北と南の両方の種が見られ、生物地理学的に異なる起源を持つ種が暮らす生息地として独自なもの。サンガネーブ海洋国立公園は、サンゴ礁に生息する魚の固有種のホットスポットでもあります。ここは紅海の生態系でも高い固有性が見られ、西インド洋でも最も多様性に富んだサンゴ礁や希少なサンゴなどが生息するという点。

世界遺産マニアの結論と感想

サンガネーブ海洋国立公園とドンゴナーブ湾=ムカッワー島海洋国立公園は、紅海でもさまざまな種類のサンゴ礁を含む、海洋生物や鳥類が暮らしやすい環境であり、世界でも数少ない絶滅危惧種のジュゴンが暮らす場所としても貴重であるという点で評価されています。

ちなみに、この地の村々の漁師は魚を捕るつもりが、ジュゴンを捕獲してしまうこともあり、その場合は食料として食べることもあるようで、実際にかなり美味であるということ。しかし、ジュゴンは保護動物であるために、村の外で販売することができないため、割と安価で販売されるとか…よって確認しようがないので「ネタ」くらいで捉えておいてくださいな。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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