タンザニアの世界遺産「セルース猟獣保護区」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産 危機遺産2014年〜
登録基準(9), (10)
登録年1982年

タンザニア南東部にあり、約5万平方kmにも及ぶアフリカ最大級の動物保護区。ここは手つかずの自然が残されていて、クロサイ、チーター、キリン、カバなど、それぞれ数万から10万頭以上の動物が集まり、世界でも有数のアフリカゾウの保護区ですが、密猟が横行していているため、危機遺産になっています。

ここではセルース猟獣保護区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、セルース猟獣保護区について詳しくなること間違いなし!

目次

セルース猟獣保護区とは?

クロサイ/セルース猟獣保護区
画像素材:shutterstock

タンザニア南東のルフィジ川の両岸に広がるアフリカ最大級の動物保護区で「猟獣」とはタンザニアがドイツの植民地時代、皇帝ヴィルヘルム2世が妻のアウグステが狩猟好きであり、皇帝自ら妻にこの地を贈ったためにその名が付けられました。公園の西部は森林で、東部がサバンナが広がっています。他にも沼地など多様な地形が広がっていて、敷地内には約2100種の植物が生息。

保護区は動物たちの楽園となっていて、クロサイやチーター、キリン、カバ、クロコダイルなど、75万もの動物が暮らしています。

危機遺産(危機にさらされている世界遺産)

1982年の世界遺産の登録時は、世界最大規模のアフリカゾウの生息地でした。しかし、象牙を目的とした密猟を行われたことによって、アフリカゾウは激減。2014年から危機遺産に登録されています。

セルース猟獣保護区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

アフリカゾウ/セルース猟獣保護区
画像素材:shutterstock

セルース猟獣保護区が評価されたのが、以下の点。

登録基準(x)
セルース猟獣保護区は、アフリカ中央部にある森林地帯よりも生物多様性が見られ、2100を越える植物が見られ、絶滅危惧種のアフリカゾウやクロサイ、リカオンなども生息しています。そして、カバやアフリカスイギュウの世界最大級の生息地の一つで、ウシ科のセーブルアンテロープやクーズーイランド、そして多数のナイルワニも生息。固有種のウズンガモリテッケイを含めた350種の鳥類も見られるほどに重要な保護区であるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

セルース猟獣保護区は、アフリカでも最大の森林地帯でアフリカゾウやカバ、アフリカスイギュウなどの保護区となっていて、ここは固有種や絶滅危惧種を含めた優れた生物多様性が見られるという点で評価されています。

ちなみに、ドイツは第1次世界大戦後にタンザニアを手放すことになり、この地はイギリスの支配下に置かれたため、通貨も変更となり、今でも公用語の一つは英語となっていて、今はドイツの影があまりありません。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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