韓国の世界遺産「書院、韓国の性理学教育機関群」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3)
登録年2019年

韓国各地には、中国から伝わった「書院」と呼ばれる学校や私塾にあたる施設が各地に築かれ、特に李氏朝鮮時代の15〜19世紀にかけて建造された9つの書院が世界遺産に登録。性理学とは、宋の時代に由来する儒学の一種で、人間の本質「性」と宇宙の「理」を明らかにするというもの。これらは中国の性理学が韓国へと伝来した過程を示すという点で評価されています。

ここでは書院、韓国の性理学教育機関群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、韓国の書院について詳しくなること間違いなし!

目次

書院、韓国の性理学教育機関群とは?

書院、韓国の性理学教育機関群と
画像素材:shutterstock

書院とは、中国の唐の時代(618〜907年)に中国で発展した学校や私塾にあたる施設で、やがて科挙の予備校的存在として発展していきました。韓国各地には中国から伝来した書院が李氏朝鮮時代(1392〜1897年)に建造され、ここは性理学と呼ばれる、宋の時代に由来する儒学の一種で、人間の本質「性」と宇宙の「理」を明らかにするという学問を中心とした教育機関でした。

韓国における書院は、学問を全力で取り組むための制度と、学ぶ環境に合わせた構造が見られ、単純に学習をするという施設というだけでなく、学問を崇拝する場でもあり、地元の学者同士で交流するという目的もありました。書院は山や水源の近くに位置するために、自然と繋がりを重視した庭園を築き、周囲の風景との一体感も見られるのも特徴です。

書院、韓国の性理学教育機関群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

書院、韓国の性理学教育機関群と
画像素材:shutterstock

韓国の書院が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
韓国の書院は、学問の場でもあり、社会的な慣習が見られる、性理学の文化的伝統を示す施設で、現在でも利用され続けています。これらは中国の儒学が韓国の人々によって受け入れられていき、その結果、書院は建築やデザイン、その役割において、地元に溶け込んでいったという学問の歴史を示しているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

非常に分かりづらいですが…つまるところ、登録されているのは、韓国における昔の学校や私塾であって、これらは中国から伝わった性理学を韓国独自で理解し、それが建築やデザイン、その役割を含めて、韓国における学問の歴史過程を示すという点で評価されています。

ちなみに、中国の書院というと、名前そのものは世界遺産ではないですが、「廬山国立公園」の構成遺産である白鹿洞書院と『「天地の中央」にある登封の史跡群』の嵩陽書院も世界遺産に登録されています。…といっても、現在の施設は観光地としての側面が強いですが。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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