クロアチアの世界遺産「スタリー・グラード平原」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2),(3),(5)
登録年2008年

クロアチア南部に浮かぶフヴァル島には、紀元前4世紀にパロス島から移民したギリシャ人によって植民地が開設されてから現在まで続く文化的景観が広がっています。ここは主にブドウとオリーブの農地が広がり、チョーラと呼ばれる石壁で区切られた区画が今でも残っていて、これは古代ギリシャから約24世紀も続くという地中海の農業の歴史とその発展を示すもの。

ここではスタリー・グラード平原がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スタリー・グラード平原について詳しくなること間違いなし!

目次

スタリー・グラード平原とは?

スタリー・グラード平原
画像素材:shutterstock

クロアチア南部のダルマチア地方のフヴァル島は、古来から人が住む地。島の北西部にあるスターリ・グラードはクロアチア語で「古い街」と呼ばれ、最も古い歴史を持つ街です。紀元前4世紀にギリシャ人の植民地になると平原にはブドウやオリーブの畑が作られ、農地はチョーラと呼ばれる石壁の幾何学的な区画が設けられまいた。これは現在でも使用されていて、平原には2400年に渡る独自の農業景観が今でも残っています。

平原に残る石造りの建造物は貯蔵庫としての役割もあり、ここには地中海の農業の歴史と発展が分かるというのが特徴。しかし、現在の島の住民はほとんどが漁業や観光業に従事する上に過疎化によって人口も減っていて、伝統的な農業が放棄されつつあり、保護が難しいのが課題。

スタリー・グラード平原はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

スタリー・グラード平原
画像素材:shutterstock

スタリー・グラード平原が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
紀元前4世紀に遡るスターリ・グラード平原のチョーラは、地中海におけるギリシャの農地の幾何学的な分割モデルの普及を示すものであるという点。

登録基準(iii)
スターリ・グラード平原は2400年にも渡って、同じ作物が生産され続け、現在も継続的に使用されているため、ここは何世紀にも渡る持続可能な農地であるということを証明していること。

登録基準(v)
スターリ・グラード平原の農地と環境は、古くから続く伝統的な定住の例であるものの、過疎化と伝統的な農業の放棄によって保護が難しくなっているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

スターリ・グラード平原は、ギリシャの植民地時代から残る農業景観がそのまま利用されていて、2400年にも渡る農業システムが今でも見られるという点で評価されています。しかし、その景観は脅威にさらされているという側面も。

ちなみに、フヴァル島はなんと日照時間が1年で2715時間あるというほど。よって「ヨーロッパ一日光の当たる場所」として観光客にアピールしていて、西側のフヴァルタウンのリゾートホテルは夏になるとヨーロッパ中からバカンスにやってくる客でいっぱいになります。逆に冬はホテルやペンションがほとんど閉まり、ちょっと寂しい感じに。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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