クロアチアの世界遺産の数はいくつある?それぞれを一覧にして世界遺産マニアが解説

  • URLをコピーしました!

クロアチアは、バルカン半島北西部にある小さな国。内陸部は自然がいっぱいで、アドリア海沿岸には美しい海岸が広がっています!クロアチアの世界遺産といえば、アドリア海の真珠・ドゥブロヴニクが有名ですが、いくつくらいあるでしょうか?

ここでは、クロアチアの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。

目次

ドゥブロヴニク旧市街

ドゥブロヴニク旧市街/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

ドゥブロヴニクはクロアチア南部、ダルマチア地方と呼ばれるアドリア海の沿岸にある要塞都市。13世紀以降ラグーサ共和国の首都として栄え、さまざまな時代の建築様式が並び、「アドリア海の真珠」と称される町並みが残っています。

1991〜1992年にはクロアチアが独立宣言をするとユーゴスラヴィア軍から攻撃を受け、旧市街は破壊。内戦が終わると、すぐに復旧し、以前と同じような美しい町並みが戻りました。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
クロアチアの世界遺産「ドゥブロヴニク旧市街」とは?魔女の宅急便の舞台?世界遺産マニアが解説 クロアチア南東部にあるドゥブロヴニク(ドブロヴニク)は、14世紀以降にラグーサ共和国(1358〜1808年)の首都として栄え、さまざまな時代の建築様式が並び、「アドリア海の真珠」と称される町並みが残る要塞都市。ユーゴスラヴィア内戦で被害を受けるものの、すぐに復旧され、以前のような美しい景観が広がっています。 ここでは、ドゥブロヴニク旧市街がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ドゥブロヴニク旧市街について詳しくなること間違いなし!

ディオクレティアヌス宮殿のあるスプリトの歴史的建造物群

ディオクレティアヌス宮殿のあるスプリトの歴史的建造物群/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

クロアチア南部・アドリア海沿岸に広がるダルマチア地方の最大都市スプリト。この地は、3世紀後半から4世紀初頭にかけてローマ皇帝であったディオクレティアヌスによって隠居用の宮殿が築かれました。

その後、宮殿を解体して都市は築かれていき、ローマ時代の遺跡の上にゴシック、ルネサンス、バロックといったさまざまな建築物が混在した独特の町並みを現在に残します。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
クロアチアの世界遺産「ディオクレティアヌス宮殿のあるスプリトの歴史的建造物群」とは?世界遺産マニ... クロアチア南部の都市スプリットは、3世紀後半から4世紀初頭にかけてローマ帝国の皇帝ディオクレティアヌスによって建造された宮殿を利用して築かれた都市。そして、ローマ時代の遺跡の上にゴシック、ルネサンス、バロックといったさまざまな建築物が混在した独特の町並みを現在に残します。 ここでは、ディオクレティアヌス宮殿のあるスプリトの歴史的建造物群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スプリトについて詳しくなること間違なし!

プリトヴィツェ湖群国立公園

プリトヴィツェ湖群国立公園/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

プリトヴィツェは、クロアチア中央部にあるディナリデス山脈の低地に位置するプリトヴィツェ台地にあります。192平方kmもの広大な面積を誇り、16の湖と92の滝で構成。

ここは上湖と下湖で景観が大きく変化。上湖は森林の中にあり、ドロマイト(白雲岩)の上に形成されていて、段々畑のように滝で繋がっています。そして、峡谷にある下湖は低い草木が生い茂る石灰岩の岩盤の上に水が流れるようになっていて、滝は広くて浅いというのが特徴。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
クロアチアの世界遺産「プリトヴィツェ湖群国立公園」とは?世界遺産マニアが解説 クロアチア中部にあり、ボスニア・ヘルツェゴビナの国境近くにあるのがプリトヴィツェ湖群国立公園。ここにはエメラルドのように美しく輝く16の湖と92の滝によって構成されてます。公園はクマやオオカミ、珍しい鳥類など、動物の保護区としても有名。 ここでは、プリトヴィツェ湖群国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、プリトヴィツェ湖群国立公園について詳しくなること間違なし!

古都トロギル(トロギール)

古都トロギル(トロギール)/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

クロアチア南部のダルマチア地方に位置するトロギルは、本土とチオヴォ島の間にある小さな島に築かれた街。港町として発展していくものの、栄枯盛衰を繰り返し、11世紀には自治都市となります。旧市街に残る教会や城壁は13〜15世紀にかけて造られたもの。

現在も残る聖ロヴロ大聖堂はルネッサンス様式とバロック様式を組み合わせた壮麗な建築物で、高さ47mの鐘楼は街のシンボル。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
クロアチアの世界遺産「古都トロギル(トロギール)」とは?世界遺産マニアが解説 トロギル(トロギール)はクロアチア南部のアドリア海に面した港町。本土と島の間にある小さな島に築かれた町で約2300年の歴史を誇ります。聖ロヴロ大聖堂はルネッサンス様式とバロック様式を組み合わせた壮麗な建築物で、高さ47mの鐘楼は街のシンボル。 ここでは、今回は古都トロギルがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、古都トロギルについて詳しくなること間違なし!

シベニクの聖ヤコブ大聖堂

シベニクの聖ヤコブ大聖堂/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

クロアチア南部のダルマチア地方の属するシベニクは、シベニク=クニン郡の中心地であり、11世紀には存在が確認されているほどに古い都市。15世紀になると、シベニク市の大評議会が当時のイタリアの建築家に依頼し、大聖堂の建造が始まりました。

これはゴシック様式と初期ルネサンス様式を取り入れ、レンガや木などが使用されていない石造建築の聖堂としては世界最大でもあります。大聖堂は20世紀のユーゴスラビア内戦の時に破壊されましたが、現在ではその影響は見られません。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
クロアチアの世界遺産「シベニクの聖ヤコブ大聖堂」とは?世界遺産マニアが解説 シベニクは、クロアチア南西部の歴史都市で、ここには15〜16世紀にかけて建造された聖ヤコブ大聖堂があります。これはゴシック様式と初期ルネサンス様式を取り入れ、レンガや木などが使用されていない石造建築の聖堂としては世界最大。ここは20世紀のユーゴスラビア内戦の時に破壊されましたが、現在では見事に修復されています。 ここではシベニクの聖ヤコブ大聖堂がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、 聖ヤコブ大聖堂について詳しくなること間違なし!

ポレッチ歴史地区のエウフラシウス聖堂建築群

ポレッチ歴史地区のエウフラシウス聖堂建築群/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

イストラ半島西岸に位置するポレッチは、紀元前2世紀にローマ人によって軍事拠点が築かれ、6世紀になると礼拝堂の跡地に当時の司教エウフラシウスによって「エウフラシウス聖堂」が建造され、これが世界遺産に登録。聖堂には現在でも美しいモザイクの壁画が残り、建造物は初期キリスト教建築とビザンツ美術の傑作でもあります。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
クロアチアの世界遺産「ポレッチ歴史地区のエウフラシウス聖堂建築群」とは?世界遺産マニアが解説 クロアチア西部に位置するイストラ半島西岸の港町ポレチュ。町の歴史はローマ時代にまで遡り、6世紀になると礼拝堂の跡地に当時の司教エウフラシウスによって「エウフラシウス聖堂」が建造され、長い年月をかけて完成させました。聖堂には現在でも美しいモザイクの壁画が残り、建造物は初期キリスト教建築とビザンツ美術の傑作でもあります。 ここではポレッチ歴史地区のエウフラシウス聖堂建築群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、エウフラシウス聖堂について詳しくなること間違なし!

カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林

カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

ヨーロッパブナは、北はスウェーデン南部から南は地中海岸、西はポルトガル、東はトルコまで広がっていて、氷河期後期には、ヨーロッパの約40%はヨーロッパブナ(ファグス・シルヴァティカ)の林が広がっていました。登録エリア各地にはブナの原生林が広がっていて、ヨーロッパブナの原生林としては世界最大の規模を誇ります。

クロアチアとしての登録範囲は、北部ヴェレビト国立公園とパクレニツァ国立公園の2箇所。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
ヨーロッパの世界遺産「カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林」とは?世界遺産マニア... かつてヨーロッパ各地にはブナ林が多く存在していたのですが、ヨーロッパブナの林は減少しつつあるという状況もあり、現在は18ヶ国94箇所で保護されています。登録エリアでは10種類の原生ブナが見られ、氷河期後期の生態系の進化やブナの分化の過程などが分かるというのが特徴 ここではカルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヨーロッパのブナ林について詳しくなること間違なし!

スタリー・グラード平原

スタリー・グラード平原/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

クロアチア南部のダルマチア地方のフヴァル島は、古来から人が住む地。島の北西部にあるスターリ・グラードはクロアチア語で「古い街」と呼ばれ、最も古い歴史を持つ街です。

ここには紀元前4世紀にパロス島から移民したギリシャ人によって植民地が開設されてから現在まで続く文化的景観が広がっています。主にブドウとオリーブの農地が広がり、チョーラと呼ばれる石壁で区切られた区画が今でも残っているのが特徴。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
クロアチアの世界遺産「スタリー・グラード平原」とは?世界遺産マニアが解説 クロアチア南部に浮かぶフヴァル島には、紀元前4世紀にパロス島から移民したギリシャ人によって植民地が開設されてから現在まで続く文化的景観が広がっています。ここは主にブドウとオリーブの農地が広がり、チョーラと呼ばれる石壁で区切られた区画が今でも残っていて、これは古代ギリシャから約24世紀も続くという地中海の農業の歴史とその発展を示すもの。 ここではスタリー・グラード平原がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スタリー・グラード平原について詳しくなること間違なし!

中世墓碑ステチュツィの墓所群(ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロと共同)

中世墓碑ステチュツィの墓所群/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ、クロアチアには中世の墓碑であるステチュティが点在し、これらは合計で7万を越え、12世紀後半から16世紀にかけて建造されたもの。

中世に、この地域はボスニア王国(1377〜1463年)によって支配されていて、当時のローマ・カトリックや東方正教会から異端とされていたボスニア教会に属する地域が多かったという点で、墓碑には独特の文化が見られます。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
ヨーロッパの世界遺産「中世墓碑ステチュツィの墓所群」とは?世界遺産マニアが解説 ステチュティは中世に築かれた墓碑のことで、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア西部、モンテネグロ西部、クロアチア中央部にある28もの墓所が世界遺産に登録されています。これらは12〜16世紀に作られたもので、ほとんどが石灰岩で建造され、この地方の伝統的な装飾や碑文が刻まれているのが特徴。 ここでは中世墓碑ステチュツィの墓所群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ステチュツィについて詳しくなること間違なし!

16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール(イタリア、モンテネグロと共同)

16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マール/クロアチアの世界遺産
画像素材:shutterstock

現在のヴェネツィアを本拠地とした海洋国家であったヴェネツィア共和国。ヴェネツィアはイタリアだけでなく、地中海各地に領土を持っていました。世界遺産としては、現在のイタリア、クロアチア、モンテネグロ各地の防衛施設が登録されています。

クロアチアのザダル群にある「ザダルの防衛システム」とシベニク=クニン群の「聖ニコラス要塞」は「西スタート・ダ・マール」として世界遺産に登録されています。西スタート・ダ・マールはアドリア海から地中海へ抜ける海路と、アドリア海各地に点在する港湾都市を防衛するものとして建造されたもの。

詳細はこちら↓

あわせて読みたい
イタリア・クロアチア・モンテネグロの世界遺産「16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スター... ヴェネツィア共和国(697〜1797年)は地中海各地に領土を持っていた海洋帝国で、イタリア北部から東アドリア海沿岸まで約1000kmに渡って各地に防衛施設が建造されました。スタート・ダ・テッラはヴェネツィアの北西をヨーロッパ諸国から防衛する施設で、西スタート・ダ・マールはアドリア海から地中海へと抜ける海路と港を保護するものでした。 ここでは16世紀から17世紀のヴェネツィアの防衛施設群:スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マールがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、スタート・ダ・テッラと西スタート・ダ・マールについて詳しくなること間違なし!

世界遺産マニアの結論と感想

クロアチアは周囲の国との共有の世界遺産が3つもありますが、合計で10もの遺産が登録されています。特に文化遺産だけでも8つもあり、ドゥブロヴニクのように古くから多くの文明の交差点となった旧市街が多いというのも特徴。そして、内陸にはプリトヴィツェのように美しい自然遺産もあったりと、文化・自然ともに魅力たっぷり!

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

この記事が気に入ったら
いいね または フォローしてね!

  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

目次