カナダの世界遺産「トロンデック=クロンダイク」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4)
登録年2023年

カナダとアラスカの国境沿いに広がるクロンダイク地方は、先住民のトロンデック・フェチン族が暮らしていた土地に、19世紀末にゴールドラッシュが発生。ここは先住民の伝統文化を残しつつ、入植民が街や金鉱を形成しながら共存を続けたことで、独自の文化的景観が広がっています。

ここではトロンデック=クロンダイクがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トロンデック=クロンダイクについて詳しくなること間違いなし!

目次

トロンデック=クロンダイクとは?

ドーソン・シティ/トロンデック=クロンダイク
画像素材:shutterstock

カナダ北西部に位置するユーコン準州はアラスカと面した土地。ここは亜寒帯に属する厳しい土地であるにもかかわらず、ユーコン川の支流であるクロンダイク川沿いでは、1896年に金が発見されると、1898年まで約3万人もの人々がこの地を目指したという「クロンダイク・ゴールドラッシュ」と呼ばれるブームが発生した場所。クロンダイクとは、先住民のハン族の言葉で「トロンデック(叩き石の水)」から由来しているものの、その発音の難しさから「クロンダイク」と訛ってしまったもの。

この地方の中心都市であるドーソン・シティには、ゴールドラッシュ時代の街並みや建築物が残り、金鉱では1世紀以上に渡って継続的に金の採掘が行われていて、インフラや機械などは現在も使用されています。

トロンデック=クロンダイクはどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ドーソン・シティ/トロンデック=クロンダイク
画像素材:shutterstock

トロンデック=クロンダイクが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
この地は、19世紀末のゴールドラッシュによって発生した前例のない変化に対する先住民の適応を反映した考古学や歴史的資料であり、これらには先住民族と入植者との間の交流の場所や、植民地時代のトロンデク・フェチン族の存在を示す場所など、植民地化にまつわるさまざまな側面が見られるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

クロンダイクは、ゴールドラッシュによって入植者が増加して、街や金鉱が形成され、当時のまま残されている一方、先住民の文化がそのまま暮らし続け、それぞれの共存が見られるという点で評価されています。

ちなみに、ドーソン・シティでは、ゴールドラッシュで人は溢れたものの、金はほとんど発掘されることはなく、結局、金を探す人々のための商売が繁栄したそう。今でも金は採掘されるのですが、むしろ観光業のほうが盛ん。ここはオーロラ・オーバルと呼ばれるオーロラが多く見られる場所であることから、オーロラウォッチに最適なエリアでもあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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