キューバの世界遺産「シエンフエーゴスの都市歴史地区」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (4)
登録年2005年

キューバ中南部の港湾都市シエンフエーゴスはフランス系の移民によって19世紀前半に当時のスペインの領地に設立。ここはサトウキビ、タバコ、コーヒーの取引きで栄え、やがて町には新古典主義の優雅な建造物だけでなく、他の要素を加えたものが多く建造されていきました。19世紀に造られた宮殿や学校、司教館、邸宅などがあり、現在も当時の様子を残す建造物が多く残ります。

ここではシエンフエーゴスの都市歴史地区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、シエンフエーゴスについて詳しくなること間違いなし!

目次

シエンフエーゴスの都市歴史地区とは?

シエンフエーゴスの都市歴史地区
画像素材:shutterstock

シエンフエーゴス州の州都であり、ここは1819年にカリブ海沿岸に設立された港湾都市。スペインの領土でありながら、住民はフランスのボルドーやフランス系の住民が多いアメリカ合衆国のルイジアナからの移民が中心でした。周囲はサトウキビ、マンゴー、コーヒーなどの農地で、ここは砂糖を中心とした農産物の取引で19世紀に大いに繁栄。1860年代にはキューバでも3番目に重要な都市へと成長しました。

世界遺産としてはホセ・マルティ広場を中心に政府の施設や教会などが集まるエリアや港の東側に沿って南に伸びる通路沿いの建造物が登録。都市は他のスペインの植民都市と同じく、碁盤の目のような構造で、ここは交易で築いた富によって19世紀の新古典主義様式の建築物がカリブ海の他の都市に比べて多く並んでいて、プリシマ・コンセプシオン大聖堂や市庁舎、宮殿、邸宅などが現存。20世紀初頭になると建築物は他の建築様式を折衷したものに変化していきました。現在は「南の真珠」と呼ばれるほどに美しい街並みが残り、観光客も多く訪れます。

シエンフエーゴスの都市歴史地区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

シエンフエーゴスの都市歴史地区
画像素材:shutterstock

シエンフエーゴスが評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
シエンフエーゴスの歴史地地区は、スペインの啓蒙主義の影響を受けたもので、重要な交流を示し、19世紀のラテンアメリカの都市計画における初期の例であるといいうこと。

登録基準(iv)
シエンフエーゴスは、19世紀からラテンアメリカで発展した都市計画において、機能性、衛生面、秩序など、新しい概念が見られる傑出した建築物が並ぶという点。

世界遺産マニアの結論と感想

シエンフエーゴスは、スペイン風の都市計画で築かれた都市で、19世紀には新古典主義の優雅な建築物が並ぶようになり、機能性や秩序など新しい概念が見られるという点で評価されています。

ちなみに、中心部にある凱旋門はキューバで唯一の凱旋門。パリのエトワール凱旋門に比べると小さいので、凱旋門とは思えないレベルではありますが。大きさでいうと実はエトワール凱旋門よりも北朝鮮の平壌の凱旋門の方が高くて、なんと60mもの高さを誇っています。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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