登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9), (10) |
登録年 | 2003年 |
モンゴルとロシアとの国境をまたがるウヴス・ヌール盆地は、ウヴス・ヌール湖を中心に、周囲はモンゴルとロシアそれぞれの保護区となっています。ここは多種多様な動物が見られ、世界で最も北に位置する砂漠にはトビネズミ、山間部には絶滅危惧種のユキヒョウなどが生息しています。
ここではウヴス・ヌール盆地がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ウヴス・ヌール盆地について詳しくなること間違いなし!
ウヴス・ヌール盆地とは?
モンゴル北東部とロシア連邦のトゥヴァ共和国にまたがるウヴス・ヌール盆地。ここは総面積3350平方kmの塩水湖であるウヴス・ヌール湖を中心に、モンゴルには5つの保護区、ロシア側には7つの自然保護区を含めて世界遺産に登録されています。
ここは古代湖であるウヴス・ヌール湖周辺には、世界で最も北に位置する砂漠や砂丘、ステップ、落葉樹の森林、湿地、ステップ、世界で最も南に位置するツンドラなど、さまざまな環境が見られます。保護区は大規模な資源開発がされることがなく、遊牧民が移動しながら放牧を行う程度であったため、多種多様な動物がそのまま残され、ユキヒョウのような絶滅危惧種も生息しているのが特徴。
ウヴス・ヌール盆地はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
ウヴス・ヌール盆地が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
ウヴス・ヌール盆地は、辺境の地にあるため、開発されることもなく、遊牧民が移動しながら放牧を行う程度で、古来から自然がそのまま残されていて、地球規模の地形の変化や生物の進化が見られ、研究対象にもなっているということ。
登録基準(x)
ウヴス・ヌール盆地は、高地やツンドラ、乾燥地、森林などさまざまな環境があり、中央アジアの中でも多種多様な動植物が見られるのが特徴。500種以上の植物だけでなく、湖には渡り鳥が多く立ち寄り、敷地内にはアルガリやアイベックス、トビネズミ、スナネズミ、絶滅危惧種のユキヒョウなど、ユニークな動物たちが多く生息しているという点で評価されています。
世界遺産マニアの結論と感想
古くから辺境の地にあるウヴス・ヌール盆地は、モンゴルでも最大の塩湖・ウヴス・ヌール湖を中心地にさまざまな自然環境が並び、中央アジアの中でも多種多様な生物が見られ、絶滅危惧種のユキヒョウなどが見られるという点で評価されています。
ちなみに、周辺にはかつてこの地帯を支配し、中国やヨーロッパに影響を与えた遊牧民族スキタイ人やテュルク系の民族の遺跡も残っていますが、こちらは文化遺産は認められておらず、現在は自然遺産のみとなっています。それらも認められればいつかは複合遺産になるかもですね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。