スペイン・マヨルカ島の世界遺産「トラムンタナ山脈の文化的景観」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (4), (5)
登録年2011年

地中海に浮かぶスペイン領マヨルカ島の北西部に連なるトラムンタナ山脈。ここは農業に不向きな土地ではありますが、数千年に渡って開発が行われ、山の斜面を蜘蛛の巣のように張り巡らされた水利灌漑のネットワークによって、棚田や果樹園、菜園などが作られました。

ここではトラムンタナ山脈の文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トラムンタナ山脈の文化的景観について詳しくなること間違いなし!

目次

トラムンタナ山脈の文化的景観とは?

トラムンタナ山脈の文化的景観
画像素材:shutterstock

マヨルカ島の北西部に連なるトラムンタナ山脈は、険しい山岳地帯であり、農業に不向きな土地ではありました。数千年に渡って果樹園や菜園を造園するために農地を開発し、山の斜面には段々畑が築かれてきたという背景があります。もともとは8世紀ころにキリスト教徒によって、用水路を斜面に築き、水車を利用して棚田を形成。アラブ人によって征服され、灌漑設備の構築が進められると、レコンキスタによって13世紀に再びキリスト教徒が管理するようになると大いに発展しました。

現在のトラムンタナ山脈の村々には、教会や塔、灯台、石垣で囲まれた段々畑が続くという景観が見られ、今でも利用されています。

トラムンタナ山脈の文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

トラムンタナ山脈の文化的景観
画像素材:shutterstock

トラムンタナ山脈の文化的景観が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
トラムンタナ山脈の文化的景観は、アラブの灌漑技術と農業のノウハウが確立され、13世紀に再びキリスト教徒によって引き継がれたもので、この文化的融合によって段階的に農業景観が形成されていき、用水路のネットワーク、果樹園、菜園、オリーブ畑などの大規模な農場として見られるのが特徴であるという点。

登録基準(iv)
トラムンタナ山脈の文化的景観は、水を貯蔵し、高度な用水路を利用した耕作地、水を輸送するための地下水路(カナート)、運河、溝、貯水池、石の壁で覆われた段々畑などが見られます。段々畑は野菜だけでなく、果物やオリーブも栽培できるようになり、高度な排水システムが組み込まれているということ。

登録基準(v)
トラムンタナ山脈での生活は、土地と水も不足していて資源が乏しい地ではありましたが、農業ができるように開発し、人類が困難な環境条件に適応したことを示す証拠であります。これらはアラブ人の支配時代に洗練された灌漑技術を組み合わせ、山頂の岩場、森林、放牧地、段々畑、ブドウ畑や果樹園など、土地利用を時間をかけて最大限に活用したもので、トラムンタナ山脈という険しい山岳地域で人類が継続的に定住したきたことを示すという点。

世界遺産マニアの結論と感想

トラムンタナ山脈は、農業に不適な土地をアラブ人の灌漑技術によって開発され、用水路や地下水路を使った段々畑が作られると、果樹園や菜園、オリーブ畑まで存在する農場となりました。これは山岳地帯という厳しい土地において、人類が継続的に定住してきたということを示すという点で評価されています。

ちなみに、マヨルカ島はオリーブオイルの産地で、料理には必ずといって良いほどにオリーブオイルが使用されます。カタルーニャ料理のトマト付きパンであるパ・アム・トゥマカットは、マヨルカ島では「パム・ボリ(パンとオリーブオイル)」と呼ばれていて、トマトよりもオリーブオイルが強調されているというほど。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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