ドイツの世界遺産「ヴァルトブルク城」とは?ルターのエピソードを含めて世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(3),(6)
登録年1999年

ドイツ中部の都市アイゼナハ郊外にあるヴァルトブルク城は、19世紀に再建されたものの、邸宅や騎士館などは11世紀の建造当時の姿をよく残します。そして、16世紀にマルティン・ルターがこの城に亡命し、新約聖書のドイツ語訳を行った場所としても有名。

ここではヴァルトブルク城がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ヴァルトブルク城について詳しくなること間違いなし!

目次

ヴァルトブルク城とは?

テューリンゲン州のアイゼナハ郊外の山の上にあるのがヴァルトブルク城です。ここは11世紀にテューリンゲン伯によって建造された、後期ロマネスク様式の城。19世紀末に再建されましたが、邸宅や騎士館などは11世紀の建造当時の姿をよく残します。

歌合戦と楽劇『タンホイザー』

劇場/ヴァルトブルク城
画像素材:shutterstock

この城では芸術を愛したテューリンゲン伯の宮廷で歌合戦が行われたという伝説が残っています。その伝説は、19世紀のロマン派の音楽家リヒャルト・ワーグナーが作曲したオペラ『タンホイザー』の元ネタとなり、実際に劇中でもヴァルトブルク城が登場。19世紀からすでに大ヒットを重ねた作品であったことから、ドイツ芸術史においては重要な場所でもあります。

マルティン・ルターの新約聖書の翻訳

マルティン・ルターの部屋/ヴァルトブルク城
画像素材:shutterstock

16世紀の宗教改革を推進したマルティン・ルターは、ヴォルムス帝国議会にて教皇から破門されたことを告げられると、この城に亡命することとなりました。この城でルターはドイツ語で新約聖書を翻訳したことで知られ、ルターが隠れていた部屋には今でもインクの染みなどが残っています。

ヴァルトブルク城はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ヴァルトブルク城
画像素材:shutterstock

ヴァルトブルク城が評価されたのが、以下の点。

登録基準(iii)
ヴァルトブルク城は、中世ヨーロッパの封建時代の傑出した建造物であるという点。

登録基準(vi)
城はドイツの文化と密接に結びついていて、特にマルティン・ルターがこの城に亡命し、新約聖書をドイツ語に訳したことから、これがやがてドイツの統一と団結のシンボルにも繋がったということ。

世界遺産マニアの結論と感想

ヴァルトブルク城は19世紀に再建されたものの、城には中世の遺構も残っていて、当時の雰囲気を色濃く残すという点で評価されています。そして、この城は『タンホイザー』のモデルともなり、ルターが新約聖書を翻訳したことからドイツ文化との結びつきが強いという点もポイント。

ルターがこの城にやってきた頃は「帝国アハト刑」という死刑にも近い刑を受けていたので、割と絶望的な状況だったそうな。インクの跡もインク瓶を悪魔に向かって投げつけたものとされていて、彼は精神的にも追い詰められてたのかもしれませんね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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