登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (3), (6) |
登録年 | 1987年 |
首都・北京から南西に位置する周口店は、東アジア最大の旧石器時代の遺跡。ここでは、1921年に北京原人(ホモ・エレクトス・ペキネンシス)の骨が発見されたことで有名で、アジアでの人類の進化の過程を示す遺跡でもあります。
ここでは周口店の北京原人遺跡がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、周口店の北京原人遺跡について詳しくなること間違いなし!
周口店の北京原人遺跡とは?
北京から南西約42kmの位置にある周口店には、更新世(約258〜1万年前)の遺跡。ここは山脈と平原の間にあり、石灰岩の洞窟には原始人類の足跡が残っています。敷地内には23のスポットから500〜1万年前の人類や動物の化石が発見。
ここで発見された化石で最も有名なのが「ホモ・エレクトス・ペキネンシス」、通称・北京原人。更新世中期(70〜20万年)に生息し、道具と火を使い、二足歩行をしていたと考えられる原始人類。1921年に人類のものと思われる歯が発見され、1929年には頭蓋骨も発掘されました。ここからは数十体の人類の化石と10万点以上の石器や道具などが見つかっています。
また、ここからは現生人類に近い、2万年ほど前の山頂洞人の遺跡もあります。
周口店の北京原人遺跡はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
周口店の北京原人遺跡が評価されたのが、以下の点。
登録基準(iii)
遺跡は、更新世中期から旧石器時代にかけてアジア大陸の人類の進化の過程を示すものであるということ。
登録基準(vi)
この遺跡で1920〜30年代に発見された原始人類の化石は、人類の進化の歴史を覆し、その後の考古学の研究において重要な発見であったという点。
世界遺産マニアの結論と感想
周口店の遺跡は、北京原人が発見されたことで、アジア大陸の人類の進化の過程が見られると同時に、その後の考古学の研究において重要な発見であったという点で評価されています。
ちなみに、北京原人の骨は、1941年にアメリカへ輸送させようとしたところ、途中で行方不明になってしまったのです。その後、日本軍も必死で捜索したものの、今でも手がかりがなく、中国にあるとか、戦争中に焼けたとか、東京の皇居の地下にあるとか…さまざまな伝説が生まれました。
1997年の緒形直人氏主演の『北京原人 Who are you?』という映画では、北京原人の頭蓋骨から北京原人を復活させるというトンデモない話でしたが…結局、映画のネタになるほどに骨の行方は分かっていないのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。