エドワード1世とはどんな人物?世界遺産マニアが解説

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エドワード1世(1239〜1307年)は、ウェールズやスコットランドへと侵攻してブリテン島を統一し、当時保有していたフランスの領土を巡って戦争を行う一方、模範会議を開くなど、かなり先進的な行政改革を行った人物でもあります。そんなエドワード1世とはどういった人物だったのでしょうか?

今回はエドワード1世がどんな人物だったかを世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、について具体的に理解できること間違いなし!

目次

エドワード1世とはどんな人物?

エドワード1世のイメージ
画像素材:shutterstock

1239年にロンドンのウェストミンスター宮殿で誕生。彼の名前は、イングランド王としては200年以上ぶりに「エドワード」と名付けられ、これはアングロサクソン系の名前でもありました。父王ヘンリー3世の時代には、内戦でもある第二次バロン戦争(1264〜1267年)が勃発。そして、1265年にイーヴシャムの戦いで勝利して王権を回復しました。

1272年に即位すると、ウェールズの独立王国(グウィネズ公国)を滅ぼし、イングランド領とし、各地の防衛のために多くの城を建造。そして、彼の息子(後のエドワード2世)を最初の「プリンス・オブ・ウェールズ(ウェールズ大公)」とし、英国王室の王太子をウェールズ大公にするという伝統はここから始まりました。

カーナーヴォン城
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その後、スコットランドの後継者問題に干渉し、スコットランド王はイングランド王に対しての臣従を求められる関係になったものの、反乱が発生。イングランド王国が大陸に保有していたフランス南方の南アテキーヌは、フランス王フィリップ4世によって狙われたために戦費を集める必要がありました。

そこで彼は貴族・聖職者・庶民代表を含む新たな議会を設立し、軍資金を集めるためにイングランド議会の原型となる「模範議会」を開催。これにより、彼は「イギリス議会の父」と呼ばれるように。しかし、スコットランドでは反乱が収まらず、独立を求めるウィリアム・ウォレスらと戦い、彼を処刑するものの、スコットランド貴族ロバート・ブルースによって独立戦争は続行。1307年にスコットランド遠征の途中で病死してしまい、エドワード2世が引き継ぐも、イングランドはロバート・ブルースによって敗北し、スコットランドは併合できませんでした。

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グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁/イギリス

カーナーヴォン城/グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁
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イギリス西部にあるウェールズの各地に点在する、ビューマリス城、カーナーヴォン城、コンウィ城、ハーレフ城の4つと、それに付随する要塞都市を含めて世界遺産に登録。ウェールズでは抵抗が続いたため、エドワード1世はこの地に、アイアンリング(鉄の輪)と呼ばれる10の城を建造しました。

城の設計は城郭建築家のセント・ジョージのマスター・ジェイムズによるもので、当時の軍事建築の中でも非常に優れていました。

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世界遺産マニアの結論と感想

エドワード1世はイングランドからすれば「英雄」ではありますが、他国からすれば「圧制者」であったりと賛否両論ある人物。征服戦争を推し進めた一方、彼が開催した「模範会議」は後のイギリスの議会政治に大きな影響を与えています。そして、彼がウェールズの民のための制度でもある「プリンス・オブ・ウェールズ」は今でも英国王室の慣例として残っていますね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1200以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定マイスター認定済。

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