イタリア・スイスの世界遺産「サン・ジョルジョ山」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(8)
登録年2003年(2010年拡大)

スイスとイタリアの国境付近に広がるルガーノ湖の南に位置する標高1097mのサン・ジョルジョ山。ここは、中生代三畳紀(2億4500万〜2億3000年前)の地層からさまざまな生物の化石が発見され、体長1mものパキプレウロサウルスや、身体が3分の2以上もの首だったとされる珍しい魚竜タニストロフェウスといった希少な化石も発掘。

ここではサン・ジョルジョ山がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、サン・ジョルジョ山について詳しくなること間違いなし!

目次

サン・ジョルジョ山とは?

パキプレウロサウルスの化石/サン・ジョルジョ山
画像素材:Nowic(Wikimedeia Commmons)

ルガーノ湖はイタリアとスイスの国境に位置する面積48.7平方kmもの湖。その南にはピラミッドのような形をした緑豊かなサン・ジョルジョ山(標高1097m)がそびえます。ここには中生代三畳紀(2億4500万〜2億3000年前)の地層があり、かつてこの周囲が熱帯気候のサンゴ礁の海であり、外洋から隔てられたラグーン(潟)であったことを示すもの。後に地殻変動が発生し、ここは山となったのです。

サン・ジョルジョ山は19世紀から既に発掘が始められ、地層からは、爬虫類、魚類、アンモナイト、棘皮動物、甲殻類など、1万もの化石が発見。そして、この地層は陸地にも近かったと考えられ、陸生の爬虫類や昆虫、植物の化石なども含まれています。特に体長20cm〜1m程度の細長い恐竜であるパキプレウロサウルスの化石も発見されていることでも有名。

タニストロフェウス

タニストロフェウス/サン・ジョルジョ山
画像素材:shutterstock

ヨーロッパ各地で発見されている魚竜で、全長は最大で5mを越えるものも存在。この恐竜のユニークな点は、3分の以上が「首」であるという点で、10個の椎骨を持つというほど。水かきがあるもの、水底を脚をつけて歩き、魚などを食べていたと推測されています。

サン・ジョルジョ山はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

サン・ジョルジョ山
画像素材:shutterstock

サン・ジョルジョ山が評価されたのが、以下の点。

登録基準(viii)
サン・ジョルジョ山は、三畳紀の海洋生物や陸上生物の化石が多く発見されていて、保存状態も良く、長い間研究が続けられ、多くの種の名前がこの地から名付けられるほどに貴重な存在となっています。結果としてここは三畳紀の化石発掘史のルーツ的存在となったという点。

世界遺産マニアの結論と感想

サン・ジョルジョ山の地層は、三畳紀に遡るもので、ここは海洋生物や陸上生物の化石が1万点以上も発見。そのため、ここは19世紀から発掘が続けられ、発掘された種には地名が名付けられ、世界中の三畳紀の化石発掘の原点的な場所となっているという点で評価されています。

ちなみに、ルガーノ湖のほとりにあるルガーノは、イタリアとの国境の近くにあり、国内から資本が多く流入したために、町はそれほど大きくないのにもかかわらず、100以上の金融機関があり、スイスでも有数の金融センターでもあります。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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