世界遺産を管理・保全するにも「お金」が必要です。しかし、各国の予算でやりくりするにしても限度というものがあるので、基金として設立したのが世界遺産基金。
今回は世界遺産基金を世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、世界遺産基金について詳しくなること間違いなし!
世界遺産基金とは?
世界遺産基金とは、1976年に設立された信託基金のこと。実は、世界遺産条約の締約国は2年に1度、拠出金を支払わなけれないというのがルールなのです。この拠出金の支払いが延滞している締約国は、 世界遺産委員会の委員国に選出されず、緊急援助以外に国際的援助も受けることができなくなるというペナルティも。
この基金はどんなことに使われるのかというと…
1、緊急援助
災害や紛争などの世界遺産の復興費用
2、準備援助
事前調査への援助
3、保全·管理援助
専門家や技術者の派遣する際に使用されたり、人材の育成費用に使われることも
ただし、実際は緊急援助よりも準備援助に予算が振りわけられることが多いのが難点。
分担金はどれくらいの規模になるの?
国によってさまざまというのが現状。拠出金としては、世界遺産条約締約国のユネスコ分担金の1%を超えない額ではありますが、任意の拠出金も問題ないですし、締約国以外の国や政府機関、個人からの拠出金も財源としています。
実際に最も分担金を払っていたのはアメリカだったのですが、2011年にパレスチナがユネスコ加盟国になったことなどを受け、2018年末にユネスコを脱退し、分担金の拠出を停止してしまったことから、今後の世界遺産基金はさらに少なくなっていくであろうと予測されています。
世界遺産マニアの結論と感想
世界遺産条約を結ぶ際に、どんな国でも遺産の保護と管理を平等に賄うというのが世界遺産基金のスタートではあったのですが…お金も集まらず、なかなか難しいというのが現状。特に中東情勢など、政治が介入するとより難しくなります。
日本は特に分担金を多めに負担をしている国ではあるのですが、人類のお宝である世界遺産に関しては政治を抜きに考えてほしいものですね。
※写真はイメージです
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。