カナダでは1887年にアメリカのイエローストーン国立公園を手本に国立公園制度が誕生。アメリカと同様に各地で多くの国立公園が存在し、中には世界遺産に登録された公園もあります。カナダで世界遺産として登録された国立公園はいくつあるでしょうか?
ここでは、カナダで世界遺産に登録された国立公園でを世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
バンフ国立公園、ジャスパー国立公園、クートニー国立公園、ヨーホー国立公園(カナディアン・ロッキー山脈自然公園群)

カナダ西部のアルバータ州とブリティッシュコロンビア州にまたがる広大な7つの公園から構成されるもので、北アメリカ西部を南北に貫くロッキー山脈のうちカナダ部分にある2万3000平方kmが登録されています。ここは美しい氷河湖や滝、渓谷など絶景が多く並ぶというのが特徴。
ここで発見されたバージェス頁岩という地層にはカンブリア紀の古代生物の化石も多く発見され、生物史において大変貴重なもの。
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ナハニ国立公園



カナダのノースウェスト準州にあるナハニ国立公園は、約5000平方kmもの広大な公園です。「ナハニ」とは、先住民の言葉で「精神」という意味。公園の中心は、標高2972mのマッキンジー山を含むロッキー山脈の間を流れるサウス・ナハニ川の深い峡谷で、巨大な滝などがあります。
野生動物の宝庫で、オオカミ、ハイイログマ、トナカイなども多く生息。
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ウォータートン・レイクス国立公園



北アメリカ大陸西部を貫くロッキー山脈の中でもほぼ中央にあたる地域にあるウォータートン・グレイシャー国際平和自然公園。ここは1932年にカナダのアルバータ州のウォータートン・レイク国立公園とアメリカのモンタナ州のグレーシャー国立公園が、世界初の国際平和公園法で成立したもの。総面積は4576平方kmにも及び広大な公園となっています。
ここは3000m級のロッキー山脈のほぼ真ん中にあり、氷河で削られた地形や700もの氷河湖で構成され、1億5000年前の藍藻類の化石も見られます。
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ウッド・バッファロー国立公園



カナダのアルバータ州北東部とノースウエスト準州の南部にまたがる国立公園で、ここはシンリンバイソン(アメリカバイソンの亜種で北方に生息するもの)を保護するエリア。
ここは北米で最大のシンリンバッファローの生息地であり、絶滅危惧種のアメリカシロヅルなども保護しているエリアです。そして、世界最大級の淡水デルタがあることでも有名。
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グロス・モーン国立公園



ニューファンドランド島の西端に位置する1805平方kmもの広大な国立公園で、名前は標高806mのグロス・モーン山(フランス語で「孤立した大きな山」)から由来しています。ここはプレートテクトニクス(大陸間のプレートが移動すること)が見られる世界でも珍しい場所。
巨大なテーブルマウンテンが並ぶエリアが広がっていて、これは地球のマントルが地表に表れて形成されたもの。さらに氷河によってフィヨルドが形成され、崖や湖、滝など、迫力のある景観が続いています。
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ミグアシャ国立公園



ケベック州の南東部にあるガスペ半島の南岸にあるミグアシャ国立公園は、デボン紀の化石が多く発見された場所。デボン紀はおもに魚類が繁栄した時代で、その時期の地層としては世界でも有数の化石の産地でもあります。
化石は魚類と無脊髄動物、植物などさまざまな種が見られますが、四肢動物の起源である「エウステノプテロン(ユーステノプテロン)」の化石が発掘されたことでも有名です。
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クルアーニー国立公園



アメリカの本土から離れて北西に位置するアラスカ州とカナダとの国境には、2つの国にまたがった世界でも最大規模の氷原が続くエリアです。1979年にカナダ領のクルアーニー国立公園が登録されると、1994年にカナダ側のタッチェンシニー=アルセク州立公園が続いて追加登録されました。
ここにはハクトウワシやハイイログマ(グリズリー)、ドールシープなど貴重な動物が見られます。
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世界遺産マニアの結論と感想
カナダは自然が豊かな国だけに国立公園が多い国でもあります。ロッキー山脈のような絶景が広がり、温泉や氷河など、さまざまな自然が見られる一方、ミグアシャ国立公園のように化石が多く発見される場所まで国立公園だったりするので、自然保護だけでなく、研究対象を保護したりと、さまざまな役割を持っているのが国立公園なのです。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。