中国の「城」というと日本の天守閣のある城とは異なり、一般的には「城壁」を示し、そのため「万里の長城」も中国における城の一つであります。北京などの大都市は、内城と外城に分かれるほどに大規模な城として扱われていて、城壁に囲まれた都市のことは「城市」と呼ばれるのが特徴。
そんな中、中国で世界遺産として登録されている城はいくつあるでしょうか?ここでは世界遺産に登録されたお城を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説していきましょう。
紫禁城(故宮)/北京と瀋陽の明・清王朝皇宮
首都・北京の中心部に位置する紫禁城は、72平方kmの面積を誇る世界最大の木造建築物。現在は「故宮博物院」として博物館となっています。「故宮」とは、古い宮殿という意味で、これは後年にこのように呼ばれたもの。もともとは紫禁城と呼ばれていました。ここは15世紀から20世紀にかけて、明(1368〜1644年)と清(1636〜1912年)の2つの中国王朝の皇宮として使用された場所。
現在は故宮博物院として180万にも及ぶコレクションが並ぶ博物館でもあります。
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万里の長城
万里の長城は、東は河北省の山海関から始まり、西は甘粛省の嘉峪関まで続く、全長2万kmを超える城壁のこと。紀元前3世紀から17世紀まで、歴代の中国の王朝によって、整備・修復・拡大されてきた防衛システムです。ここはもともと点在していた長城を組み合わせて建造されたもので、世界最大の長城になったのは、明の時代。
慕田峪長城
北京から北へ約90kmの位置にある長城。ここは万里の長城でも北京からアクセスが良く、ロープウェイも置かれていることから人気が高い観光地となっています。もともとは南北朝時代の北斉(550〜577年)のものではありますが、15世紀の明の時代になると、長城跡に新たなる建築物「慕田峪関」が建設されました。
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八達嶺長城
北京の北西約70kmに残る長城で「万里の長城」と呼ばれる風景は大体ここの写真を使用しています。現在の遺構は明の時代に建造され、レンガ造りの長城が並び、一定間隔で望楼などが点在する風景はまさに誰もがイメージする「万里の長城」。ロープウェイもある上に、市内からのアクセスの良さから観光客が多く集まります。
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麗江古城
中国の雲南省・南西部に位置する麗江は、標高2400mの麗江平野に位置する小さな町。ここはチベット・ビルマ語族に族するナシ族(納西族)によって12世紀に築かれ、万年雪のある標高5596mの玉龍雪山から流れ出る水を利用して町中に水路をめぐらし、インフラにして発展してきました。
ここは異民族の文化を取り入れ、迷路のような街路と水路が入り組むという独特の町並みが今でも見られるという点で評価。
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平遥古城
山西省晋中市平遥県にある平遥は、清の時代に金融業の中心地として繁栄した都市。約6.4kmにもなる城壁で囲まれていて、これは紀元前8世紀の周の時代に遡るもの。
現在の町並みは14世紀の明代に改築・拡張され、城壁内には明代や清代に作られた建造物が並び、保存状態は良好。街路や役所、民家だけでなく、「日昇昌」と呼ばれる、当時の中国でも最大規模の金融機関であった建物も含まれています。
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唐長安城大明宮/シルクロード:長安-天山回廊の交易路網
中国の中央に位置する西安はかつて長安と呼ばれていた都市。そして、唐長安城大明宮は唐(618から907年)の時代に長安城の北東に位置していた宮城。7世紀に唐の2代皇帝・太宗が父・高祖のために設立し、635年に「大明宮(だいみんぐう)」と呼ばれるようになりましたが、その後の歴代皇帝によって建造物が追加・改修され続けました。
唐王朝が滅亡するとここは遺跡となりましたが、1957年から発掘が始まり、今は遺跡公園として開放されています。現在は正門であった「丹鳳門」だけ再建。
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世界遺産マニアの結論と感想
中国の城というと、日本のようなお城はなく、どちらかというと『キングタム』に登場するような城壁に囲まれた都市のイメージ。とはいえ、そのスケールは壮大!まさに映画やアニメのような世界が今でも見られます。ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。