韓国の「城」というと日本の天守閣のある城とは異なり、おもに要塞を示すことが多く、ちょっとイメージが異なるところ。とはいえ、「水原華城」のように都市の周囲に囲まれた城壁の中に門や楼閣を持つという施設は今でも何ヶ所か残っています。
世界遺産として登録されている韓国のお城はいくつあるでしょうか?ここでは世界遺産に登録されたお城を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説していきましょう。
水原華城
首都ソウルから南へ35m。京畿道水原市には、石とレンガで構成された壮大な要塞があります。李氏朝鮮第22代国王・正祖(1752〜1800年)はこの地を愛し、父・思悼世子の墓をここへ移動させました。水原華城は、思悼世子の墓を防衛する目的で造られたもの。
6km近くもある城壁は現在も残り、東西南北に壮麗な4つの門が設置され、ヨーロッパの技術も導入された軍事建築として評価されています。
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南漢山城
南漢山城は、ソウルの南東25kmの山岳地帯に位置し、14〜20世紀に繁栄した李氏朝鮮王朝時代に臨時首都にもなるように設計されたもの。現在見られる山城は17世紀に当時の清国が韓国へと侵攻した際に防衛を目的として整備されました。
ここは当時最先端の武器である西洋式火薬からの防御に備えていて、日本と中国の築城技術が取り入れられています。そして、南漢山城は韓国内の要塞建築にも影響を与えました。
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上党山城(サンダンサンソン)/百済歴史地域
百済は朝鮮半島の三国時代(4〜7世紀ころ)の西部に存在した国家。韓国の中西部の山岳地帯は、百済後期の熊津時代(475〜538年)、泗沘時代(538〜660年)に渡って首都が置かれた場所で、8つの考古学遺跡で構成されています。
上党山城は、韓国中央部の清州市郊外に築かれた山城。ここは集落を囲むように城壁が築かれたもので、そのルーツは不明ではありますが、新羅(紀元前57年〜935年)には既に存在していたという説があります。
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世界遺産マニアの結論と感想
これらの「城」は日本のような城ではなく、日本語としては「城壁」の部類になるとは思いますが、その防御システムは堅固なもので、今でも当時の雰囲気が分かるというのが魅力!日本とはまたひと味違う「城」に注目してみてくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。