キルギスは、中央アジアの中でも東側は中国、北側はカザフスタン、西側はウズベキスタンに囲まれた国家。国土の大半は天山山脈を中心とした山岳エリアで、シルクロードの経由地であったことから遊牧民族によって支配されてきたという歴史を持ちます。キルギスにはさまざまな遺産がありますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、キルギスの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
聖なる山スライマン=トー
キルギス南西部の都市オシ。近郊には「スライマーン(ソロモン王)」の名前の付いたスライマン・トーと呼ばれる岩山があります。山は預言者であったスライマーンが滞在したという伝承から、18世紀に名付けられたもの。
ここは1500年以上に渡って中央アジアのシルクロードを渡ってきた旅人によって聖山として崇められてきました。山腹には岩絵がある洞窟や礼拝所跡、そして、16世紀に建造された2つのモスクがあり、山は民間信仰とイスラム教の信仰が融合した中央アジア独特の聖山信仰が見られるもの。
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シルクロード:長安-天山回廊の交易路網(中国・カザフスタンと共同)
シルクロードとは、中国の中心から天山回廊を通り中央アジアまで結ぶ交易路の総称です。そのシルクロードの一部である約5000kmが世界遺産に登録されていて、交易路を含む33の構成資産が登録。
キルギスで世界遺産に登録されているのは「ジェティ・ス地区」。その中でもベラサグンは現在のキルギスのチュイ州に位置する遺跡で、7〜9世紀にペルシャ系の民族であったソグド人によって建造され、14世紀に滅ぼされるまで、交易で栄えたカラハン朝や西遼の中心都市として活躍しました。11世紀に建造されたモスクのミナレットであったブラナの塔は、現在は高さ24mだけ現存しています。
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西天山(ウズベキスタン・カザフスタンと共同)
天山山脈は中国西部からカザフスタン、キルギス、ウズベキスタンまで広がる世界最大の山脈。キルギスでは、西側のジャララバード州にある、サリ=チェレク国家生物圏自然保護区やベシュ=アラル国家自然保護区、パディシャ=アタ国家自然保護区が登録。
ここは多様な生態系が生息する環境が広がっていて、ブドウやリンゴなど、現在も馴染みのある果物の原種が生育する環境であるというのも特徴。
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世界遺産マニアの結論と感想
キルギスの世界遺産は、単独の世界遺産としてはスライマン=トーだけではありますが、周辺国との共同の遺産も含めると合計3件も登録。シルクロードの経由地だけあって、旅人が遠方から訪れた遺跡から雪深い天山山脈までまで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。