アフリカ北部に広がるリビアは、国土の8割が砂漠ではあるものの、アフリカ有数の産油国として有名。特に地中海岸は、かつてギリシャ・ローマ帝国時代に築かれた都市が多く点在し、保存状態の良い遺跡が点在しています。他にも先史時代の岩絵や砂漠のオアシス都市まで、さまざまな遺産がありますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、リビアの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
レプティス・マグナの考古遺跡
リビア北西部、首都トリポリの東130kmに位置するアル=フムス市にある古代ローマの都市遺跡。もともとはレプティスという名前ではありましたが、町が繁栄したため「マグナ(偉大な)」が加えられました。
2世紀になるとローマ帝国の植民都市となり、皇帝セプティミウス・セウェルスを輩出するほどにアフリカ属州の中心都市になりました。7世紀にイスラム勢力によって支配されると、町は砂に埋もれてしまったため、現在も非常に保存状態が良いというのが特徴。
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サブラタの考古遺跡
サブラタはリビアの首都トリポリから西へ約65kmの地中海岸に位置する都市。ここは紀元前6世紀ころに地中海の交易で富を築いたフェニキア人によって設立された港湾都市でこの地方の中心的存在でした。
紀元前1世紀になるとローマ帝国の属州となり、現在の遺跡は2世紀のトラヤヌス帝時代以降に再建されたもの。遺跡に残る円形劇場はアフリカでも最大規模で、レリーフの保存状態も良好です。
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キュレネの考古遺跡
現在のリビア北東部にあり、地中海に面した広大な遺跡。紀元前630年頃に、ティラ島(サントリーニ島)のギリシャ人たちが築いたというのが始まり。後にローマの植民都市となりましたが、365年の地震が発生するまで大いに繁栄。やがて衰退した後、18世紀に発見され、遺跡として整備されました。
遺跡としては、かなり大規模のもので、アテネ、シラクサに次ぐ、アクロポリス(丘の上にある城塞)があり、ヘレニズム時代の遺物が多く発見されています。特にゼウス神殿は、ドーリア式の列柱が並び、北アフリカでも最大規模のギリシャ神殿といわれるほど。
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タドラルト・アカクスの岩絵遺跡群
アルジェリア国境にも近い、リビア南西のガットの町の郊外に位置するタドラルト・アカクス。「タドラルト」とは山を意味していて、ここはサハラ砂漠でも最も厳しい気候が続くエリアで、砂丘やアーチ型の岩石、渓谷などの景観が広がっています。
岩肌には紀元前1万2000年前頃から紀元前後になるまで岩絵が描かれました。紀元前8000年頃まではゾウ、サイ、キリンなど描かれ、やがて馬などを中心に牧畜の様子が描かれるようになり、内容の変化からここがかつて緑の大地であったと考えられ、環境の変化が分かるもの。
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ガダーミスの旧市街
ガダーミスはリビア西部のナールート県にあり、チュニジアとアルジェリアの国境近くに位置するサハラ砂漠のオアシス都市。ここはアイン・アル・ファラスと呼ばれる泉の周りに建造され、旧市街はこの水を利用して多くの人口を維持し、かつてはヤシの木が並ぶ豊かな都市でした。
旧市街には石灰を塗った伝統的な家屋が今でも残ります。シンプルな外観ではありますが、内観はマグレブ地方(アフリカ北西部)の美術から影響を受けた石膏のレリーフや装飾などが見られるもの。
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世界遺産マニアの結論と感想
リビアの世界遺産としては実は5件と豊富。ギリシャやローマ遺跡から先史時代の岩絵、砂漠のオアシス都市まで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。