名古屋市といえば、愛知県の県庁所在地であり、中部地方の最大の都市でもあります。古くは熱田神宮を中心に栄えた場所で、近世になると尾張徳川家の城下町でもありました。観光スポットとしては名古屋城と熱田神宮で有名ではあるものの…世界遺産はあるでしょうか?
ここでは、名古屋市の世界遺産はあるのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説していきましょう。
名古屋市に世界遺産は存在しない?
名古屋市は、東西を結ぶ東海道沿いに位置し、現在は中部地方だけでなく、中京圏の中心地でもあります。もともとは草薙剣(くさなぎのつるぎ)を祀る、熱田神宮がある鳥居前町であった場所が、江戸時代になると尾張徳川家が統治するようになり、日本三名城の一つとなる名古屋城が築かれました。
しかし、観光客には人気のあるスポットではありますが、どれも世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在の日本の暫定リストには名古屋市の遺産は記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%です。まずは、世界遺産になるほどの魅力的なスポットを、世界遺産にする理由を探す段階である限り、世界遺産は生まれないのです。
名古屋市には世界遺産がないが、近くには世界遺産「熊野古道(熊野参詣道)」がある!
愛知県には世界遺産はないですが、お隣の三重県には、「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産「熊野古道(熊野参詣道)」があり、その中でも最も近いのが三重県の伊勢神宮から熊野速玉大社、和歌山県の熊野本宮大社までを結ぶ「伊勢路」。
ここは1000年以上にも渡って利用されている道で、11世紀からは天皇や貴族たちの間で「熊野詣」が行われるようになると、鎌倉時代には武士、室町時代には庶民もこの道を利用して参詣するようになり、江戸時代には伊勢参りと並んで人気のルートとなりました。
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世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら名古屋市には世界遺産がありません。しかし、名古屋市のある愛知県の隣、三重県の熊野古道なら市内からも比較的アクセスが良く、世界遺産巡りをプラスすることができるので、世界遺産を求める人の起点になるエリアでもありますよ。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。