バルカン半島の北西部にある小国スロヴェニアは、かつてはユーゴスラヴィアを構成する国の一つでした。ここは国土の6割が森林という緑豊かな国で、自然遺産の宝庫でもあります。ところで世界遺産はいくつ登録されているでしょうか?
ここでは、スロヴェニアの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
シュコツィアン洞窟群
スロベニア南西部のクラス高原の地下にある洞窟群。周囲を流れるレカ川は、シュコツィアン洞窟から地下に流れ始め、地表に戻るとやがてアドリア海に流れ着く大きな川です。レカ川の侵食によってドリーネと呼ばれる大きな空洞が発生し、周囲の石灰岩の岩盤が地形を変え、世界最大の地下河川峡谷を作り上げました。
最も有名なのは、深さ200m以上、長さ約6kmの地下川洞窟。このエリアは「カルスト」という名称の語源となるほど、見事なカルスト地形で知られる場所です。
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カルパティア山脈とヨーロッパ各地の古代及び原生ブナ林
ヨーロッパブナは、北はスウェーデン南部から南は地中海岸、西はポルトガル、東はトルコまで広がっていて、氷河期後期には、ヨーロッパの約40%はヨーロッパブナ(ファグス・シルヴァティカ)の林が広がっていました。登録エリア各地にはブナの原生林が広がっていて、ヨーロッパブナの原生林としては世界最大の規模を誇ります。
スロヴェニアとしての登録範囲は、2つの森林地帯が登録されています。
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アルプス山脈周辺の先史時代の杭上住居群(スイス、イタリア、ドイツ、フランス、オーストリアと共同)
スイス、イタリア、ドイツ、フランス、オーストリア、スロヴェニアと、アルプス山脈周辺の6ヶ国には、紀元前5000〜500年の先史時代に湖や河川、湿地帯に杭上住居跡が111箇所も残り、これらは水没していたために保存状態が非常に良好。
スロヴェニアには、首都リュブリャナ郊外にあるイグ村にある2件の杭上住居の跡地が登録されています。
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水銀の遺産アルマデンとイドリヤ
スペインのアルマデンとスロヴェニアのイドリヤは、ハプスブルク家出身のスペイン国王・フェリペ2世の時代は2ヶ所ともスペイン領でした。2つの鉱山は世界でも最大の水銀鉱山だった場所で、ここで採掘された水銀は新大陸へ渡り、銀の精錬に使用されたもの。
イドリヤは、スロヴェニア西部の鉱山町で15世紀に水銀鉱山が発見されると、19世紀にはスペインのアルマデンに次いで世界で2番めの大きな水銀鉱山となりました。しかし、鉱山は1994年に停止します。
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リュブリャナのヨジェ・プレチニック作品群=人を中心とした都市計画
リュブリャナは、スロベニア中央部のリュブリャナ低地に位置する都市。人口約30万人と町としての規模は少ないものの、1991年にスロヴェニア共和国が独立して以来、首都となっています。
ここは建築家であり都市計画家であったヨジェ・プレチニックによる作品が現在でも多く残っています。これは20世紀前半、地方都市であったリュブリャナの旧市街に多くの公共施設を作り、それらを組み込むことによって街を発展させるという施策でもありました。
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世界遺産マニアの結論と感想
スロヴェニアというと、イメージが湧きづらいと思いますが、実は周辺国と共同の遺産を含めると、文化遺産が3つ、自然遺産が2つと、合計で5つも世界遺産があります。しかし、スロヴェニア単体としてはシュコツィアン洞窟群とリュブリャナの2つだけではありますが、それぞれスロヴェニアを代表する遺産であるので、ぜひ一度訪れてみてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。