タジキスタンは中央アジアでも南部に位置していて、東は中国、南はアフガニスタン、西はウズベキスタンと国境を接する国家。国土の東半分は「世界の屋根」と呼ばれるパミール高原が広がるように、平均標高は約3000mという山岳国家。とはいえ、古くから人々の往来があったため、文化遺産もいくつかありますが、世界遺産はいくつあるでしょうか?
ここでは、タジキスタンの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
サラズムの原始都市
ウズベキスタンとの国境近く、ソグド州のパンジャケント地区のザラフシャン渓谷沿いに広がる都市遺跡。ここは「地の始まるところ」という意味で、紀元前4000年〜紀元前3000年代にかけて繁栄した中央アジアにおける最初期の都市遺跡の一つ。
ここは中央アジアのステップ地帯からイラン高原、インダス川、インド洋から人々が集まることから、文化交流と交易の跡が見られ、農業と灌漑、放牧など、人類の定住における発展が見られる場所。
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タジキスタン国立公園(パミールの山々)
タジキスタン東部のゴルノ・バダフシャン自治州に位置する国立公園で、ここは標高5000mを越えるパミール高原の北側に位置する山岳地帯であり、キルギスとの国境沿いに広がっています。
敷地内には約70kmにも及ぶ「フェドチェンコ氷河」や「イスモイル・ソモニ峰(標高7495m)」など、7000mを越える険しい山々が見られるのが特徴。ここは地球上で最も地殻変動が多いエリアであり、地形学を研究する上でも重要な場所です。
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ティグロヴァヤ・バルカ自然保護区のトゥガイ森林群
タジキスタン南西部のハトロン県にあるティグロヴァヤ・バルカ自然保護区は、北から流れるヴァクシュ川と東から流れるパンジ川が合流して、中央アジアを流れるアムダリヤ川となる場所。
ここは乾燥地帯でありますが、水が豊かな場所で、川沿いにはトゥガイと呼ばれる独特の森林地帯が見られ、貴重種も多く生息するのが特徴。50種類の鳥類の越冬地であり、多様な動植物が見られます。
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シルクロード:ザラフシャン=カラクム回廊(ウズベキスタン・トルクメニスタンと共同)
シルクロードにおいて、現在の中国の西端に位置する平均標高5000mのパミール高原から西側へと抜けるルートは、ルートがいくつも分岐。その中でも現在のタジキスタン〜ウズベキスタン〜トルクメニスタンを経由して、イラン方面へと抜けるのが「ザラフシャン・カラクム回廊」です。
タジキスタンで登録されている構成資産は9件あり、タジキスタン北部のソグド州に点在しています。そして「古代パンジケントの都市」など、古代遺跡だけでなく、集落や城塞なども登録。
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世界遺産マニアの結論と感想
タジキスタンの世界遺産としては、単独の遺産は3件ではありますが、共同の遺産を含めると4件も登録。山岳国家だけに美しい山々や森林地帯などの自然遺産はもちろん、中央アジアでも最初期の遺跡まで幅広いジャンルの遺産があるのが魅力です!ぜひディープに楽しんでくださいね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。