イギリスを構成する国の一つ、ウェールズはブリテン島の西部にあり、ここは独自の文化が根付く場所。実は世界遺産が3つも存在するというのは、あまり知られていないところ。
ここでは、ウェールズ世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
グウィネズのエドワード1世の城郭と市壁

ウェールズ北西部の各地に点在する、ビューマリス城、カーナーヴォン城、コンウィ城、ハーレフ城の4つと、それに付随する要塞都市を含めて世界遺産に登録。グウィネズ地方は、13世紀にイングランドによってウェールズへと侵攻し、この地の支配権を得たものの、抵抗が続いていたために、当時の国王であったエドワード1世はこの地に、アイアンリング(鉄の輪)と呼ばれる10の城を建造しました。
その中でも保存状態の良い4つの城郭が登録。城の設計は城郭建築家のセント・ジョージのマスター・ジェイムズによるもので、当時の軍事建築の中でも非常に優れていました。
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ブレナヴォンの産業景観



ウェールズの南東部トルヴァエンにあるブレナヴォンは、渓谷沿いに広がる元鉱山町。ここは古代ローマ時代から鉄が作られていたとされ、18世紀後半から19世紀初頭まで鉄鉱石と石炭の主要産地となり、最盛期は66万tもの鋳造量を出すほどでイギリスの産業革命を支える存在でもありました。
現在は閉山しましたが、ここには当時建造された炭鉱跡や製鉄所跡、今でも現役の保存鉄道などが見られます。
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ウェールズ北西部のスレート関連景観



ウェールズ北西部に位置するスノードン山は標高1085mとイギリスでも4番目の高さを誇ります。スノードン山を中心としたスノードニアは、古代ローマ時代から続くスレート(粘板岩)の産地。
石切り場や鉱山、人々が住んだ邸宅や資産家のカントリー・ハウス、狭軌鉄道、港など、産業革命時に繁栄した姿を現在に残します。そして、ここで磨かれた技術や技術者たちは世界のスレート産業で活躍したということも評価。
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世界遺産マニアの結論と感想
ウェールズは自然豊かな土地であり、伝統文化も根付いているものの、実は大英帝国時代には工業が盛んだったことから、ブレナヴォンやスノードン山など、産業遺産も多いのです。とはいえ、ウェールズはイングランドと密接に結びついているので、イングランドでは残っていないようなお城の構造が見られるのも特徴です。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。