イエメンは、アラビア半島南西部にある横長の国で、古代から東西交易で栄えてきました。世界遺産としては、サナアやシバーム、ザビードなどの交易都市が多く登録されていますが、どんな世界遺産があるでしょうか?
ここでは、イエメンの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
シバームの旧城壁都市
シバームは、アラビア半島南部の香辛料と乳香の通商ルートの途中にあった都市。ここは3世紀頃に繁栄したハドラマウト王国(紀元前8世紀〜3世紀)の首都でした。
ここは「砂漠のマンハッタン」と呼ばれるほどに、高層住宅が乱立する不思議な風景が広がっています。その数はなんと500もあるというから驚き!
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サナア旧市街
イエメンの首都サナアは、山岳地帯に築かれた、標高約2300m高原都市。旧市街は市内の東部に位置していて、幅は約1.5kmで、南北約1kmも続く広大なエリア。ここには100を超えるモスクと6000を超える邸宅があり、中世のイスラム都市の景観を今でもよく残しています。
なんと2500年に渡って人が住んでいるという世界最古の町の一つです。
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古都ザビード
ザビードは、イエメン西部にあるフダイダ県にあり、紅海からは20kmほどの内陸に位置する古都。ここは2つの枯川が合流するモンスーンを利用して農業が行われてきた地で、丘の上に円形の要塞都市が位置しています。
かつてはズィヤード朝(819〜1018年)の首都で、ザビードにはアル・アシャーイル・モスクのマドラサ(神学校)などが建設され、13〜15世紀の最盛期には学問都市として各地から学生たちが集まる都市でした。
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ソコトラ群島
ソコトラ群島は、アラビア半島から南へ約300km、アフリカ大陸東端のアシール岬からも240kmも離れた島々。ここは太古の昔から独自の生態系が築かれていて、植物の37%、爬虫類の90%など、固有種が多く見られます。
島のシンボル的存在であるベニイロリュウケツジュは、古代からその樹脂が利用されていて、ギリシャでも高級な薬品として有名でした。
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マアリブの古代サバア王国記念建造物群
マアリブは、アラビア半島南部で繁栄したサバア王国(紀元前800年頃〜紀元前275年)の首都であった場所。サバア王国は地中海や東アフリカとの交易によって繁栄し、幅広い交易ネットワークを持ち、アラビア半島では乳香の交易ルートを支配していました。
旧市街に残るサナア王国時代の宮殿や神殿、その都市を囲む城壁だけでなく、周囲のダムの跡などが世界遺産に登録。
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世界遺産マニアの結論と感想
イエメンの国土のほとんどが砂漠ではありますが、古くから交易で繁栄した国で、文化遺産は4つ、自然遺産は1つと合計で5つの世界遺産が登録されています。文化遺産はすべて旧市街となっているので、かつての交易都市の名残が見られるというのが魅力!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。