カトリック浦上教会(浦上天主堂)は、有数の観光地で世界遺産に登録されていると思いきや…実は世界遺産じゃないんです。これだけ有名な観光地なのになぜ?
ここではカトリック浦上教会が、なぜ世界遺産でないのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、カトリック浦上教会について詳しくなること間違なし!
カトリック浦上教会(浦上天主堂)とは?
長崎県長崎市のカトリック浦上教会は、もともとは長崎の北部に位置する農村エリアにあり、ここは何度も潜伏キリシタンが弾圧があった場所で、キリスト教の禁制解消後、1879年に小さな聖堂が築かれたのが始まりでした。1914年に赤レンガ造りの「浦上天主堂(うらかみてんしゅどう)」が完成し、当時はこのように呼ばれたため、今でもこの名のほうが一般的でもあります。
しかし、1945年の長崎への原爆投下により、爆心地から近かった浦上天主堂は一部の外壁以外はほぼ破壊されてしまいました。その後、1955年に戦前の赤レンガ造りの外環を模して再建されれ、1962年に長崎大司教区の司教座聖堂にも指定。現在は日本最大規模のカトリック教会でもあります。
カトリック浦上教会(浦上天主堂)はなぜ世界遺産として登録されないの?
カトリック浦上教会は観光客には人気のあるスポットではありますが、世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?そもそも長崎市内にある大浦天主堂は、2018年に「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産に登録されています。
これはあくまでも前提の話ですが、浦上天主堂は原爆投下時の遺構が別の場所に移動したため、戦後に同じ場所で「新たに再建された建造物」であり、歴史的建造物としての「文化遺産」の基準を満たさないのです。それでは「原爆ドーム」のように負の遺産としてはどうか…となると、現在残っている遺構は、原爆の威力の恐ろしさを示すものではあるものの、残存部分が少な過ぎるため、その惨状は原爆ドームほど見られないという事情もあり、世界遺産として推薦するのは難しいところ。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながらカトリック浦上教会は世界遺産ではありませんが…しかし、それはあくまでも現段階の話。これから「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」や「原爆ドーム」の登録範囲も拡大するかもしれないですし、新たなる発見もあるかもしれません。ここは日本最大規模のカトリック教会であり、その価値は高く、世界遺産でなくとも、これからも守っていきたい遺産であるのは間違いないですからね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。