高尾山は、有数の観光地で世界遺産に登録されていると思いきや…実は世界遺産じゃないんです。これだけ有名な観光地なのになぜ?
ここでは高尾山が、なぜ世界遺産でないのか?世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、高尾山について詳しくなること間違なし!
高尾山とは?
高尾山は東京都の八王子市に位置する標高599mの山。ここは都心からのアクセスが良いということから、ピクニックから本格的な登山まで人気で、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」での3つ星を獲得したことから、海外からも評価されているというほど。
現在は観光地として有名なエリアですが、もともとは修験道の霊場でもありました。山内にある高尾山薬王院は、7世紀に開山したというほどに由緒ある場所です。近隣に存在した八王子城を居城としていた北条氏照(1542〜1590年)が、この山を保護し、江戸時代以降も山林は開発されることがなかったため、豊かな自然が残っていて、明治以降は多くの研究者がさまざまな植物を発見するほどに。
高尾山はなぜ世界遺産として登録されないの?
高尾山は観光客には人気のあるスポットではありますが、世界遺産としては登録されていません。これはなぜでしょうか?
実は世界遺産に登録させるには、世界遺産条約の締約国の政府が世界遺産センター(世界遺産委員会事務局)の協力を受けながら世界遺産候補である「暫定リスト」を作成する必要があるのです。つまり、暫定リストに掲載されていない遺産は、世界遺産に推薦することはできません。
そして、現在の日本の暫定リストには高尾山が記載されていないため…残念ながら世界遺産になる可能性は今のところ0%。とはいえ、2020年には東京初の日本遺産「霊気満山 高尾山〜人々の祈りが紡ぐ桑都(そうと)物語〜」として文化庁によって認定され、その価値は広く知られています。
世界遺産マニアの結論と感想
残念ながら高尾山は世界遺産ではありませんが…しかし、ミシュランでは3つ星であり、文化庁が認定する日本遺産には登録されているので、その価値は外国人だけでなく、日本人だって認めています。さらには薬王院は霊場として知られていて、このあたりの価値を世界遺産級に高めていけば、やがて世界遺産に登録されるかもしれませんね。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。