登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2),(3) |
登録年 | 2000年 |
チリ南部にあるチロエ島は、ヨーロッパからイエズス会による普及活動のために16世紀から現地の材木を使用した教会が建造されました。この島では特に先住民とヨーロッパの文化が融合したこともあり、有名なカストロ聖堂を含めて14の教会は「チロエ様式」と呼ばれる独特の木造建造物であるという点で評価されています。
ここではチロエの教会群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、チロエの教会群について詳しくなること間違いなし!
チロエの教会群とは?
チリ南部の沿岸に浮かぶチロエ島。ここは南米でも5番目に大きな島で、17世紀にヨーロッパから修道会の一つ、イエズス会が布教活動を始め、18世紀からはフランシスコ会によって続けられ、約70もの木造教会が布教活動のために建造されました。
チロエ島では、入植したスペイン人と先住民が多く結婚したことによって文化融合が進みました。島の中心地にあるカストロ聖堂を含めて16の教会はヨーロッパと先住民が融合した「チロル様式」で建造されたものとして世界遺産に登録。チロル島では、温帯多雨林が広がり、木材が豊富のため、他の植民都市のようにコロニアル様式が見られず、木造技術を応用した独特の建造物となりました。
16の教会は、洪水を防ぐために丘の上に建造され、デザインはチロエ島の船の建築技術から影響を受けて、鐘楼と屋根を接合するように設計されています。現在でもそれぞれの教会では昔と同じように信仰が続けられていて、結果的に土着の信仰とうまく溶け込みました。
チロエの教会群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
チロエの教会群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
チロエの教会群は、ヨーロッパと先住民族の文化融合が見られ、独特な木造建築の傑作でもあるということ。
登録基準(iii)
チロエの教会群は、17〜18世紀のイエズス会の布教活動によって建造され、ここはメスティーソ(ヨーロッパ人と先住民の混血)たちの文化がそのまま残り、それらは島に点在する木造教会にも表れているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
チロエ島に残る木造教会群は、ヨーロッパと先住民の文化融合を示し、スペイン人と先住民が結婚し、メスティーソが増えたため、彼らの文化を表すものであったという点で評価されています。
ちなみに、チロル島は島ではあるものの、本土からそれほど離れておらず、2025年には本土との間にチャカオ海峡大橋が架かる予定。完成すれば大分アクセスもよくなるでしょう。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。