ポーランドの世界遺産「ザモシチ旧市街」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(4)
登録年1992年

ポーランド南東部に位置するザモシチは、ポーランド王国の貴族であり、宰相であったヤン・ザモイスキが16世紀に設立した交易都市。ここはイタリア人建築家のベルナルド・モランドによって設計された、ルネサンス様式の都市で、イタリアと中欧の伝統様式を組み合わせた建築物が並びます。

ここではザモシチ旧市街がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、ザモシチについて詳しくなること間違いなし!

目次

ザモシチ旧市街とは?

市庁舎の時計塔/ザモシチ旧市街
画像素材:shutterstock

ポーランド南東部・ルブリン県に位置するザモシチは、16世紀のポーランド王国の大貴族で宰相ともなったヤン・ザモイスキによって築かれた都市。彼はイタリアの建築家、ベルナルド・モランドをパドヴァから招き、ここに理想的な都市を建造を依頼しました。そして、要塞を街の周囲に築き、中心部は碁盤の目のように整然とした区画が並ぶ後期ルネサンス様式のもので、現在も残っています。

街は北欧から黒海を結ぶ交易ルートに位置していて、商業を中心とした国際都市となりました。ヤン・ザモイスキはここに大学を築き、ポーランドにルネサンスの分がを浸透させることに成功しています。

聖トマス大聖堂/ザモシチ旧市街
画像素材:shutterstock

ザモシチの建造物はバロック様式の要素を入れていて、大広場に位置する市庁舎の時計塔などはバロック様式の丸屋根が見られます。そして、旧市街の南西に位置する聖トマス大聖堂は、ルネサンスとバロック両方の美術様式の彫刻が配されたりと、地元の建築様式にイタリア建築の要素が加わるという独自の建築物の発展が見られるのが特徴です。

ザモシチ旧市街はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

ザモシチ旧市街
画像素材:shutterstock

ザモシチが評価されたのが、以下の点。

登録基準(iv)
ザモシチは、16世紀のルネサンス様式の都市設計の見事な例であり、その区画や要塞、歴史的建造物において、イタリアと中欧の建築様式の融合が見られるという点。

世界遺産マニアの結論と感想

この街は大貴族ヤン・ザモイスキによって、ルネサンスの理想都市を実現した都市で、居住空間と防衛システムという2つの側面を見事に融合しているという点で評価されています。

ちなみに、17世紀に確立したイギリスの立憲主義を「国王は君臨すれども統治せず」と表されますが、これはイギリス発の言葉ではなく、16世紀のザモイスキが発した言葉。彼が属したポーランド・リトアニア共和国の立憲主義を表したものでした。それほどポーランド・リトアニア共和国は当時としては画期的な政治システムであったということですね。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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