登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (7),(9),(10) |
登録年 | 1991年 |
タイ西部に位置し、ミャンマーとの国境沿いにある2つの保護区が登録された世界遺産。ここはインドシナ半島最大級の森林地帯で、東南アジアに生息する大型哺乳類の77%、大型鳥類の50%など、多様な生態系が保護されています。
ここではトゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、トゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区について詳しくなること間違いなし!
トゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区とは?
1972年設立のカーンチャナブリー県とターク県にまたがるトゥンヤイ・ナレースワン野生生物保護区、1974年設立のターク県とウタイターニー県にまたがるフワイ・カーケン野生生物保護区の2つが合わさり、合計で約6220平方kmにも及ぶ広大な遺産。ここは古来より開発されることもなく、手つかずの自然がそのまま残っていることから、2つの大きな川が含まれた、東南アジアでも原生林を保護している最大の森林地帯となっています。
ここは1500mを超える山が点在する丘陵状の地形が広がっていて、雨季には一部は湿地帯となり、滝や湖が見られ、さまざまな種類の木々が見られます。ここに生息する動物は、インドや中国とも関係性があり、固有種や絶滅危惧種が多いのが特徴。インドゾウを含む、東南アジアの3分の1である120種類の哺乳類が見られ、28もの絶滅危惧種が生息しています。
トゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
トゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区が評価されたのが、以下の点。
登録基準(vii)
トゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区は、標高1500mもの山々が並び、深い渓谷が続くことで、見事な景観を造り出し、東南アジアでも最大級の森林地帯であり、美しい自然だけでなく、科学的価値も高いという点。
登録基準(ix)
トゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区は、インドシナ半島だけでなく、中国やインドなどの動植物の特徴が見られ、東南アジアの中でも独自の生態系が存在。ここは石灰岩の大地や湿地帯などはミネラルが豊富で、保護されている原生林では生態学や生物学的な進化も見られるということ。
登録基準(x)
トゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区は、120の種の哺乳類、400の鳥類、96の鳥類、43の両生類、113種の淡水魚類などが存在し、特に哺乳類は固有種と28もの絶滅危惧種が見られ、これは東南アジアで生息する哺乳類の3分の1にもあたるほどの多様性であるという点。
世界遺産マニアの結論と感想
トゥンヤイ-フワイ・カーケン野生生物保護区は2つの生物保護区が登録されていて、東南アジアでも最大級の原生林の保護区であり、ここは石灰岩を中心としたミネラル豊富な土壌で、東南アジアで生息する哺乳類の3分の1にもなるほどの哺乳類など、生物多様性が見られるという点で評価されています。
ちなみに、トゥンヤイ・ナレースワン保護区のナレースワンはアユタヤ王朝の21代目の王から由来していて、彼がビルマとの戦争の際にここで陣地を敷いたことから、トゥンヤイ・ナレースワン(ナレースワンの大草原)と呼ばれるようなっています。彼はムエタイの創始者としても有名。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。