登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (2), (4) |
登録年 | 2001年 |
首都マドリードの南部にある街アランフエスは、15〜18世紀にスペインの王室の夏の離宮が置かれた場所。宮殿には18世紀にフランスのバロック様式の庭園が加えられていき、碁盤の目のように整備された町並みや自然と調和した庭園など、文化的景観として評価されています。
ここではアランフエスの文化的景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アランフエスについて詳しくなること間違いなし!
アランフエスの文化的景観とは?
マドリードから南へ約50kmの位置にあるアランフェスは王室ゆかりの土地。15世紀には既にスペイン王室の土地として利用されていて、16世紀になるとスペイン帝国最盛期の王・フェリペ2世によって宮殿が設立。
宮殿は18世紀にフランス王家にルーツを持つフェルナンド6世と、甥のカルロス3世によって拡張。ここはフランスのヴェルサイユ宮殿を模して整備されたもの。特にカルロス3性による陶磁器のタイルを使用した「陶器の間」が有名で、他にも19世紀建造のイスラム風の「アラブの間」も豪華絢爛です。
アランフエスは、タホ川とテホ川を中心に、自然に溶け込むように並木道や庭園、果樹園などが多く建造されていきました。町には、アランフエスの王宮前に築かれたフランス式の「パルテレ庭園」、2つの川に挟まれた「島の庭園」、タホ川沿いに築かれた広大な「王子の庭園」などが点在。
もともとは王族のための土地ではありましたが、18世紀には宮廷関係者なども暮らす街となり、その碁盤の目状の都市計画も登録範囲に含まれています。アランフエスの街には今も運河や田園、娯楽施設、宮殿など、さまざまな景観が見られ、自然景観の中に建築物が溶け込むように配置された文化的景観として評価。
アランフエスの文化的景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
アランフエスが評価されたのが、以下の点。
登録基準(ii)
アランフエスの文化的景観は、王族の宮殿もあったということもあり、さまざまな文化が集まったことで作り出された景観であるという点。
登録基準(iv)
アランフエスの文化的景観は、景観設計の発展において重要な段階を示すものであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
アランフェスは、夏の離宮が置かれたこともあり、スペインの王族によって宮殿や庭園が建造された都市であることから、さまざまな文化が持ち込まれ、景観設計の発展が見られるという点で評価されています。
ちなみに、宮殿はフェリペ2世が建造した王宮+修道院である世界遺産エル・エスコリアル修道院と同じく、フアン・バウティスタ・デ・トレドとフアン・デ・エレラが担当。デザインは、どことなく似ているのはその影響ですかね?
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。