ニジェールの世界遺産「アガデス歴史地区」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2),(3)
登録年2013年

ニジェール中央部にあるアガデスは、サハラ砂漠の南の玄関口のような存在で、アイール・スルタン国によって設立され、遊牧民のトゥアレグ族により発展してきました。ここはキャラバンの中継地として栄え、歴史地区には高さ27mもの日干しレンガ造りのミナレットなど、美しいイスラム建築が残っています。

ここではアガデス歴史地区がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、アガデス歴史地区について詳しくなること間違いなし!

目次

アガデス歴史地区とは?

アガデス歴史地区
画像素材:shutterstock

アガデスはサハラ砂漠の南端に位置する都市で、ここはアイール・スルタン国によって設立され、今もこの地に住む遊牧民トゥアレグ族が15〜16世紀に定住しました。サハラ砂漠を越える隊商交易で繁栄し、北アフリカのオアシスや西アフリカの都市などとも交流があったとされます。もともとはキャンプ地であったため、現在も街路には独自の都市計画が残っているのが特徴。

旧市街は11の区画で分かれていて、泥レンガ造りの建築物が並び、そこにはアイール地方独自の装飾も見られます。そして、27mもの高さを誇るミナレットがあり、これは泥レンガで建造されたミナレットとしては世界一の高さを誇るもの。他にも保存状態の良いイスラム建築やスルタンの住む宮殿などが今でも多く残ります。

ここは15世紀以降のスルタン制度が今でも残り、歴史地区では先祖から受け継がれてきた商業や工芸の伝統が今でも見られるというのが独特。

アガデス歴史地区はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

アガデス歴史地区
画像素材:shutterstock

アガデス歴史地区が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
アガデス歴史地区は、砂漠への玄関口としてキャラバンによる交易の中継地であり、サハラ砂漠を越えた文化交流の地でもありました。歴史地区の建築物は泥レンガで建造され、アイール地方独自の建築様式の融合が見られるという点。

登録基準(iii)
アガデス歴史地区は、世界でも最も高い泥レンガのミナレットやスルタンの宮殿など、泥レンガ建築の伝統が見られ、現在に至るまでのアイール・スルタン国の文化や商業、工芸の伝統を発展させてきたということ。

世界遺産マニアの結論と感想

アガデスは、隊商交易の中継地として栄え、砂漠を越えてさまさまな都市と交流し、建造物はアイール独自の建築様式の融合が見られます。そして、歴史地区に残るミナレットなどを含めた建造物は今でも残り、スルタン制も当時のまま、文化や商業、工芸などの伝統が今でも続けられているという点で評価されています。

ちなみに、近くにあるアーリットと呼ばれる都市で、1969年にウランが発見されると、1980年代には全世界のウランの40%がこの地域で採掘されるほどの規模を誇りましたが、ウランの暴落と砂漠化によって経済が逼迫し、反乱が発生。資源開発は豊かになると思われる一方、富の分配や環境の変化など、さまざまな問題を生むこともあるのです。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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