登録区分 | 文化遺産 |
登録基準 | (5), (6) |
登録年 | 2004年(2023年拡大) |
トーゴ北東部からベナン北西部に位置するクタマクは、16世紀ころに少数民族バタマリバ人によって集落が形成されました。ここには泥で築かれた塔のような形状の「タキエンタ」と呼ばれる邸宅が並び、これらは現在のトーゴのシンボル。この地には儀式を行う場や泉、森など、2700平方kmもの土地に彼らの生活様式が伝わる文化的景観が広がっています。
ここではバタマリバ人の土地クタマクがなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、クタマクについて詳しくなること間違いなし!
バタマリバ人の土地クタマクとは?
クタマクはトーゴの北東部カラ州に位置し、国境を越えてベナンの領地も含んでいて、ここでは少数民族バタマリバ人が住む2700平方kmもの土地が世界遺産に登録されています。彼らが住む集落には泥で築かれた塔のような形状の「タキエンタ」と呼ばれる住宅が並び、2階の部分は穀物倉庫として使用されるという独特の構造。タキエンタはいつから築かれたかは分かっていませんが、写真の資料としては19世紀末のものが最古ではあるので、古くからこの地でその文化が存在していたと考えられています。デザインとしては、ドアは口、窓は目といったように人体と関連しているという点で、彼らの宗教観も見られるもの。
この地に広がるタキエンタを含む景観は周囲の自然が信仰、儀式、日常生活を支えているという農業社会を示しています。クタマクには今でも神聖な儀式を行う場や泉、森などを含めて文化的景観が広がっていて、そしてバタマリバ人の信仰や工芸、歌、踊り、伝統的なスポーツなど無形遺産の側面も含めて構成されているというのが特徴。
バタマリバ人の土地クタマクはどんな理由で世界遺産に登録されているの?
クタマクが評価されたのが、以下の点。
登録基準(v)
クタマクは、古くから利用されている持続可能な生活環境であり、特にバタマリバ人によるタキエンタの独特な文化を反映している伝統的な定住地の優れた例であるという点。
登録基準(vi)
クタマクの景観は、バタマリバ人と自然環境の調和が見られ、人と自然との精神的な結びつきの強さを物語るものであるということ。
世界遺産マニアの結論と感想
クタマクは、バタマリバ人が古くから住む土地であり、独特の住環境であるタキエンタの文化が残っていて、これらは信仰や儀式を含めて自然と人間を調和した文化的景観が見られるという点で評価されています。
ちなみに、19世紀末には撮影したタキエンタは今よりも規模が大きかったと推測されていて、時代とともにその役割や規模も変化していったのかもしれませんね…。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。