登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (10) |
登録年 | 2001年(2018年拡大) |
ロシア東端の沿海地方にあるシホテアリニ山脈中央部は日本海に面してて、針葉樹林のタイガと亜熱帯林が入り混じりって生息する広大な森林地帯です。ここはヒグマやオオヤマネコなどの北方系の動物と、トラやヒマラヤグマなどの南方系の動物が共存するというのも特徴。そして、アムールトラや日本にも生息するシマフクロウなど、絶滅危惧種や希少な動物が多く生息しています。
ここではシホテアリニ山脈中央部がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、シホテアリニ山脈中央部について詳しくなること間違いなし!
シホテアリニ山脈中央部とは?
ロシアでも南東部に位置する沿岸地方には、首府であるウラジオストクから日本海に沿って約1000kmも続くシホテアリニ山脈があります。世界遺産としてはシホテアリニ自然保護区を含め2つの保護エリアと、2018年に追加登録となっていたビキン川渓谷も含めて構成。ここは針葉樹林のタイガと亜熱帯林が入り混じりって生息する広大な森林地帯となっていて、世界でも多様な温帯広葉混交樹林や広葉樹林を含んでいます。ここは先住民たちの暮らしと文化が森林景観と密接に結びていて、大規模な伐採がなかったのも保護されている理由の一つ。
海面から約2000mほどの高低差があり、生態系と生息地の多様性が存在し、山間部には植物や無脊椎動物の固有種が多く見られます。ここはヒグマやオオヤマネコなどの北方系の動物と、トラやヒマラヤグマなどの南方系の動物が共存するというのも特徴。特にこの地で生息するアムールトラは世界最大のネコ科の亜種として有名で、世界最大のフクロウ目であるシマフクロウなど、絶滅危惧種も生息しています。
シホテアリニ山脈中央部はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
シホテアリニ山脈中央部が評価されたのが、以下の点。
登録基準(x)
この地域は大規模な伐採が続く地ではありますが、シホテアリニ山脈は手つかずの森林が残されていて、東西の斜面には世界でも最も多様な温帯林が存在し、ツンドラの植生へと移行していくという景観が見られます。ここは北方、温帯、亜熱帯の動物相や花の種類が生息するという多様な温帯林へ進化。約180種の樹木や固有種を含む1200種の維管束植物が生息し、65種の哺乳類を含む400種を越える脊椎動物が見られます。シホテアリン山脈は多くの種によって重要な生息地で、アムールトラだけでなく、ベリアジャコウジカやヒマラヤツキノワグマ、シマフクロウなどの絶滅危惧種、さらにはヒグマやオオヤマネコなどの貴重種も暮らしているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
シホテアリニ山脈中央部は、世界でも数少ない針葉樹林と亜熱帯林が混在する貴重な温帯林が広がり、1200種もの維管束植物や400種もの脊椎動物が暮らす豊かな森となっていて、アムールトラの生息地というだけでなく、希少種や絶滅危惧種も見られるという点で評価されています。
ちなみに、アムールトラは世界最大のトラとされていますが、野生の個体はベンガルトラのほうが大きいという説もあり、個体差がある様子。トラの骨は高級酒の原料とされることもあり、密猟が絶えないのはこの理由です。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。