アメリカの世界遺産「イエローストーン国立公園」とは?60万年前の噴火を含めて世界遺産マニアが解説

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登録区分自然遺産
登録基準(7), (8), (9), (10)
登録年1978年

アメリカ北西部にあるイエローストーン国立公園は、約9000平方kmという広大な公園。敷地内には、地球の間欠泉の半分以上が集まり、多数の温泉も点在し、地熱が生み出す景観が多く見られます。ここは1872年開園とアメリカ初の国立公園で、ハイイログマ(グリズリー)やヘラジカなど、野生動物も多く生息していることでも有名。

ここでは、イエローストーン国立公園がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、イエローストーン国立公園について詳しくなること間違いなし!

目次

イエローストーン国立公園とは?噴火によって形成された北アメリカ最大の火山地帯

イエローストーン国立公園はどこにある?園内は間欠泉だらけ

イエローストーン国立公園
画像素材:shutterstock

アメリカ北西部のアイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州にまたがる広大な国立公園。この地域は何度も大規模の噴火が発生しており、60万年前の最後の噴火時に地形がドーム状になりました。その後、カルデラが形成され、地表の割れ目から雨水が入り込むと、その水をマグマが熱することで間欠泉から熱湯が出てくるようになっています。

ここは北アメリカ大陸でも最大の火山地帯であり、地下には最大のマグマ溜まりがあることでも有名です。それもあり、敷地内に地球上の約半分の温泉、約3分の2もの間欠泉があるというほど。

公園としての特徴は?

イエローストーン国立公園
画像素材:shutterstock

先住民のスー族は「霊気に満ちた場所」としてこの地を恐れていました。そして、大渓谷には川によって侵食されることから、鉄分を含む黄色い岩肌が見られ、そこから「黄色い石のある川」と呼ばれ、これが英語の地名にもなっています。19世紀になると西洋人がこの地を訪れると、その価値が認められ、1872年に世界で最初の国立公園に指定されました。

基本的にイエローストーン公園では自然のあるがままに任せるという「ウィルダネス」の概念で運営。山火事が発生しても自然本来の回復の力に任せるなど、本来の自然の姿のまま保護するということで注目されています。

危機遺産(1995〜2003年)

鉱物資源調査によって生態系が脅かされるということで、1995年に危機遺産リストに登録されたことも。しかし、計画の見直しによって2003年には危機遺産リストから外されました。

登録されている主な構成資産

オールド・フェイスフル間欠泉

オールド・フェイスフル間欠泉
画像素材:shutterstock

世界でもよく知られる間欠泉。1870年に発見され「フェイスフル(忠実)」という名の通り、一定期間に熱湯を噴出することでも有名。一回の噴出は30〜50mの高さまで達し、1分半〜5分毎に吹き出します。

グランド・プリズマティック・スプリング

グランド・プリズマティック・スプリング
画像素材:shutterstock

公園を代表する風景で、アメリカ最大の熱水泉。「プリズム」というだけあって青、緑、黄色、オレンジなど、カラフルな色彩の湖が特徴。これは湖で形成されるバクテリアによって着色されたもので、水温によって湖面の色は変化します。

イエローストーン国立公園はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

グランド・プリズマティック・スプリング
画像素材:shutterstock

イエローストーン国立公園が評価されたのが、以下の点。

登録基準(vii)
世界最大の間欠泉、イエローストーン川の渓谷、無数の滝、野生動物と、イエローストーンには他を圧倒する景観があるという点。

登録基準(viii)
世界最大規模のカルデラがあることで、世界で活動している間欠泉の半分以上があり、150種以上の植物の化石も発見されていて、こ地球の進化の歴史を理解できる場所であるということ。

登録基準(ix)
野生のアメリカバイソンが生息していたりと、公園は「ウィルダネス」の概念のもと自然のままで保護されており、地球でも数少ない、ありのままの生態系が見られるということ

登録基準(x)
公園内は希少なハイイログマなども生息しており、それらを人間の影響をほぼ与えずに生息できるように保護できているという点。

世界遺産マニアの結論と感想

60万年前に形成されたカルデラによって地熱で水が温められ、間欠泉によってまた熱水が吹き出るという世界でも有数の火山地帯でもあります。そして、「ウィルダネス」の概念のもと、自然現象で発生したものは火事だろうがなんだろうが、そのままにしておくという精神によって、動植物も保護され、人間の影響を与えないというのも評価のポイント。

ちなみに、アメリカバイソンは、ヒグマ以上に凶暴で人が襲われる事件も多発。しかも、銃撃音にも驚かないで突進してくるので、北米ではかなり危険な生物とされています。保護動物なので近づけないですが…呑気に写真撮ってたら突進で殺される可能性もあるので要注意!

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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