登録区分 | 自然遺産 |
登録基準 | (9), (10) |
登録年 | 1996年(2017年拡大) |
ニジェール川がW型に湾曲するこの地は、W公園と名付けられ、3ヶ国にまたがっていて、サバンナと森林地帯の境界であり、アフリカでも最も暑いエリア。西アフリカ最大のゾウの生息地であることが有名で、チーター、ライオン、ヒョウ、アフリカマナティーなどの貴重な哺乳類が多く暮らしています。
ここではW・アルリ・パンジャリ自然公園群がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、W・アルリ・パンジャリ自然公園群について詳しくなること間違いなし!
W・アルリ・パンジャリ自然公園群とは?
ニジェール川は西アフリカを横断するように流れる川で、かつてフランス領だった時代、ニジェール、ベナン、ブルキナファソの3ヶ国にまたがるエリアは、1954年にW国立公園として設立されました。ここはサバンナの草原地帯と森林地帯の移行地帯であり、3ヶ国9つの保護区が合わさった、1万7148.31平方kmという広大なエリアとなっています。ここは西アフリカでも最大のゾウの生息地で、他の地域で絶滅もしくは絶滅寸前の動物が多く見られるのが特徴。
1996年に登録した際は、ニジェールのW国立公園だけでしたが、ベナンからも新規で申請があり、2017年にはベナン・ブルキナファソも合わせて「W・アルリ・パンジャリ自然公園群」となりました。
W・アルリ・パンジャリ自然公園群はどんな理由で世界遺産に登録されているの?
W・アルリ・パンジャリ自然公園群が評価されたのが、以下の点。
登録基準(ix)
3ヶ国にまたがるW・アルリ・パンジャリ自然公園群は、西アフリカのサバンナ地帯における陸生、半水生、水生の生態系の最大の生息地です。ここはボルタ川流域に位置し、雨季と乾季が交互に訪れ、水の干満によって豊富な種類の植物が生まれ、それに関連して多様な動物相が見られるという仕組み。この地は、手つかずのサヘル(半乾燥地域)やサバンナ、草原、低木、樹木が広がり、半落葉樹林など数多くの植生が見られ、約5万年前にわたって人類による火の使用によって植生の多様性が維持され、その特徴が生息地に見られるという点。
登録基準(x)
西アフリカで絶滅した、もしくは絶滅に瀕している動物が暮らす地で、西アフリカ最大規模のゾウの生息地で、この地域のサバンナゾウの85%が暮らし、アフリカマナティー、チーター、ライオン、ヒョウ、リカオン、トピといった西アフリカの大型哺乳類の中でも、特に絶滅危惧種の生息地となっています。ライオンとチーターはこの地域で唯一の生息地と考えられるもの。魚類は固有性が高く、ボルダ川には9つの固有種のうち7種類が生息しているという点。
世界遺産マニアの結論と感想
W・アルリ・パンジャリ自然公園群は、3ヶ国にまたがり、サバンナ地帯と森林地帯の境目であることから植物が多く育つことから動物の種類も豊富で、西アフリカでも貴重な大型哺乳類も多く暮らす保護区であるという点で評価されています。
ちなみに、ニジェール川は長さは約4200kmで西アフリカでは最長ですが、アフリカ大陸では3番目に長い川。これはニジェールの国名と同じですが、地域によって異なる呼び名があり、29もあったとか。現在のニジェールに住む遊牧民トゥアレグ族の「川(ニエジーレン)」がフランスに伝えられると、ラテン語で「黒(ニジェール)」となり、この川の通称が「ニジェール川」となったのです。これにより国家の名称もニジェールとなりました。
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。