スイス・イタリアの世界遺産「レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観」とは?世界遺産マニアが解説

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登録区分文化遺産
登録基準(2), (4)
登録年2008年

アルブラ線とベルニナ線は、スイスとイタリアをまたがるアルプス山脈を超える鉄道路線。これらは20世紀にスイスの私鉄レーティッシュ鉄道が開通した路線で、合計67kmもの長さを誇ります。古くからの課題だったアルプス越えを実現したもので、卓越した土木技術の結晶でもありました。

ここではレーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観がなぜ世界遺産なのか、世界遺産マニアが分かりやすく解説。これを読めば、レーティッシュ鉄道について詳しくなること間違なし!

目次

レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観とは?

画像素材:shutterstock

アルブラ線・ベルニナ線は、スイス南西部のグラウビュンデン州からイタリア北西部のロンバルディア州ソンドリオ県を結ぶ路線。ここはアルプスの高地を越えるために当時としては最高レベルの技術によって建造され、20世紀初頭に開業したアルプス越えの鉄道が今でも現役で使用されています。アルブラ線とベルニナ線の終着駅であるサンモリッツは世界的なリゾート地で、2回も冬季オリンピックの開催地になった場所。

アルプス超えは新石器時代からの人類の課題であり、紀元前から交易ルートはあったものの、アルプス越えの道が整備され始めたのは19世紀になってから。ここはリゾート開発のために多くの人々を安全に輸送する必要性が出てきたため、レーティッシュ鉄道による高山鉄道の開発が始まることになったのです。

アルブラ線

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1904年に開通したスイスのグラウビュンデン州のクールとサンモリッツを結ぶ路線で、全長約89kmの距離があるものの、世界遺産としては67kmの範囲のみ。路線には42箇所のトンネルと144もの橋梁が点在。カーブが美しい、高さ65mの「ラントヴァッサー橋」があり、アルブラ渓谷の美しい景観の中を走る路線でもあります。

もともとは蒸気機関車によって運行されていましたが、現在は電動車両を採用しています。

ベルニナ線

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スイスのグラウビュンデン州のリゾート地であるサンモリッツからイタリアのロンバルディア州のティラーノまでを結ぶ路線で、全長61km。開通は1910年ではありますが、第二次世界大戦の影響で経営難となり、1944年にレーティシュ鉄道に買収されました。路線には13箇所のトンネルと52もの橋梁が点在。

最高地点はベルリナ峠の標高2253mと(登山鉄道を除く、粘着式鉄道として)アルプスの最高地点を走る鉄道です。沿線は氷河湖やぐるっと一周するループ橋「ブルージオ橋」、森林限界を越えたエリアでは氷河が見られたりと絶景が眺められることで有名な路線。

レーティッシュ鉄道アルブラ線・ベルニナ線と周辺の景観はどんな理由で世界遺産に登録されているの?

画像素材:shutterstock

レーティッシュ鉄道が評価されたのが、以下の点。

登録基準(ii)
アルブラ線・ベルニナ線は、建築技術や土木工学、登山鉄道の開発など、人類の文化交流によって建造されたことを証明しているということ。

登録基準(iv)
レーティッシュ鉄道の開発によって、多くの人々が手軽にアルプス越えができるようになり、これは20世紀初頭の高地での鉄道路線の発展において重要であったという点。

世界遺産マニアの結論と感想

レーティッシュ鉄道は先史時代から人類の悲願であったアルプス超えを容易にできるようになったという点で評価されています。このような高地に鉄道を敷くことができるになったのも、それまでの人類の鉄道開発の技術がここに集まったというのもポイント。

ちなみに、「鉄道路線」としての世界遺産は、これ以外にはオーストリアのゼメリング鉄道(1998年登録)とインドの山岳鉄道軍(1999年登録)、ブダペストの地下鉄1号線(2002年)しかなく、意外と少なかったりします。

※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。

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この記事を書いた人

世界遺産一筋20年以上!遺跡を求めて世界を縦横無尽で駆け抜ける、生粋の世界遺産マニアです。そんな「世界遺産マニア」が運営するこちらのサイトは1100以上もある遺産の徹底紹介からおもしろネタまで語り尽くすサイト。世界遺産検定一級取得済。

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