インドネシアは、大小1万3000もの島々で構成され、人口は約2.7億人という多民族国家。世界遺産としてはボロブドゥールやプランバナンなど、古くからの王朝が存在を示す遺跡や、コモドオオトカゲやオランウータンなどの珍しい動物が多く住むエリアなどがありますが、いくつ存在するのでしょうか?
ここではインドネシアの世界遺産を世界遺産マニアが一覧にして分かりやすく解説。それぞれの遺産を簡潔に解説していきましょう。
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ボロブドゥール寺院遺跡群
ジャワ島中部のケドゥ盆地に残る遺跡群。これらはジャワ島を中心に栄えたシャイレーンドラ朝の時代に造られたもので、それぞれ8〜9世紀に建造されたと考えられています。
ボロブドゥール寺院は、大乗仏教の宇宙観を表したもので「寺院」という名前ではあるのですが、入口はなく、階段ピラミッドのような構造。ボロブドゥール寺院から東へ1765mの位置にあるパウォン寺院、さらに東へ1165mの地点にあるムンドゥー寺院も含めて登録されています。
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プランバナン寺院群
ジョグジャカルタ特別州の州都ジョグジャカルタ市から東へ約17kmに位置するプランバナン寺院は、9〜10世紀に建造されたインドネシア最大のヒンドゥー教寺院で、240もの祠堂が並ぶもの。
基壇の上にシヴァ、ヴィシュヌ、ブラフマー神に捧げられた祠堂の他、無数の祠堂が並ぶという独特の建築物です。さらに周囲に点在する仏教寺院やヒンドゥー寺院も合わせて登録。
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コモド国立公園
コモド国立公園はインドネシアの中心部にあり、スンバワ島とフローレス島という大きな島の間に位置します。公園は3つの主要な島(コモド島、リンチャ島、パダール島)と小さな島々で構成。
公園には世界最大の爬虫類・コモドオオトカゲが住んでいて、まるで恐竜のように見えたことから「コモドドラゴン」とも呼ばれます。これらの火山島には合計で約5700頭も生息しており、進化論を研究している科学者にとって非常に興味深いもの。
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ウジュン・クロン国立公園
ジャワ島の南西部にあるウジュン・クロン半島と、スマトラ島との間に広がるスンダ海峡に浮かぶクラカタウ諸島自然保護区も含めて世界遺産に登録されています。
特にクラカタウの島々は、1883年までこの地に存在していたクラカタウ火山が噴火し、崩落して形成されたもの。ウジュン・クロン半島にはジャワ島最大の低地熱帯雨林が広がっていて、特に絶滅危惧種のジャワサイが生息することでも有名です。
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サンギラン初期人類遺跡
ジャワ島中央部の都市ジョグジャカルタから北東へ約80km離れた初期人類の遺跡。ここは1891年にオランダ人医師ユージン・デュポアがジャワ島中東部のトリニール遺跡で発見したという、ホモ・エレクトス・エレクトス(ジャワ原人)の化石が、1930年代に多く発掘されました。
ここは世界で発見された約半分もの人類の化石が発掘された地で、それらは150万年にも渡る人類の進化を理解することができる重要な場所でもあります。
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ロレンツ国立公園
ニューギニア島の西部はインドネシア領となっていて、パプア州の北部に位置するマオケ山脈の長さは約600kmにもなります。その中でも西部に位置するスディルマン山脈には、インドネシアだけでなく、オセアニアを含めた最高峰であるプンチャック・ジャヤ(標高4884m)があることで有名。
全世界の哺乳類の80%に相当する、100種類以上の哺乳類が見られ、ニューギニアの固有種のハリモグラ科のアッテンボローミユビハリモグラとミユビハリモグラが生息。
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スマトラの熱帯雨林遺産
スマトラ島の北部にあるグヌン・ルスル国立公園、中部にあるクリンチ・スブラット国立公園、南部のブキット・バリサン・スランタン国立公園の3つで構成。総面積は2万5000平方kmにもなる、東南アジア最大級の保護地域の一つ。
各地の熱帯雨林には、多くの固有種を含む1万種もの植物、200種以上の哺乳類、約580種の鳥類が生息し、固有種で絶滅危惧種のスマトラオランウータンも暮らしているというほどに貴重なもの。
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バリ州の文化的景観 : トリ・ヒタ・カラナの哲学を表現したスバック・システム
バリ島には、バリ・ヒンドゥーの哲学である「トリ・ヒタ・カラナ」に基づいた、伝統的な水利組合である「スバック」があります。そのスバックは地域ごとに水の神を祀った寺院を築くようになり、独自の灌漑設備を利用した棚田が並ぶという景観を作り上げました。そのシステム全体が世界遺産として評価されていて、湖や灌漑システム、3つの寺院が登録されています。
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サワリントのオンビリン炭鉱遺産
スマトラ島の西岸部にある西スマトラ州にある町・サワリントには、石炭を抽出するためにヨーロッパのエンジニアによって構築され、地域の環境に関する知恵も踏まえつつ、伝統的な労働組織によって運営されていた炭鉱がありました。
ここはスマトラ島でも山々に囲まれた地で、豊富な石炭が埋没しており、採掘場や鉱山町、鉄道橋やトンネル、ヨーロッパへと輸送するために設立された港の石炭倉庫など12もの構成資産が登録。
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ジョグジャカルタの宇宙論的枢軸とその歴史的建造物群
ジャワ島中部の南岸に位置するジョグジャカルタ州の州都。住民はジャワ島南東のスメル山(標高3676m)を中心に海と陸の環に囲まれているという宇宙観を持っていたため、この地はまさにスルタンの宮殿と都市を設立するのに適した土地でもありました。
ここには現在もスルタンが住む宮殿を中心とした歴史地区が残されています。現在の町並みは18世紀に建造され、島に残る宇宙観や信仰が都市設計の中に見られるというもの。
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世界遺産マニアの結論と感想
インドネシアはなんと10箇所もの世界遺産が登録されていて、文化遺産は6つ、自然遺産は4つと、国土が広いだけあってさまざまなタイプの世界遺産が点在します。もちろん、インドネシアというとボロブドゥールで有名ですが、それ以外にも個性いっぱいの世界遺産もあるので、ぜひ注目してみてくださいね!
※こちらの内容は、世界遺産マニアの調査によって導き出した考察です。データに関しては媒体によって解釈が異なるので、その点はご了承下さい。